暁 〜小説投稿サイト〜
機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第2話
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
カは小さく首を横に振った。
ゲオルグは前のめりになっていた上半身を元に戻し、ぺこっと軽く頭を下げて
謝罪の意を表した。
ヨシオカは片手を上げてそれに応じたあと、腕組みをしてゲオルグの顔を見据えた。

「なあ、シュミット。 お前は結局どうしたいんだ?」

「はい? どう言う意味ですか?」

自分に向けられた問いの意味をつかみかねたゲオルグが目を瞬かせて首を傾げると、
ヨシオカは小さくため息をついて若干の呆れを含んだ目線をゲオルグに向ける。

「だからだな、お前は八神の作った部隊に行きたいのか? 行きたくないのか?
 どっちなんだよ、お前の思いは」

「それは友達ですから、出来ることなら力になってやりたいとは思いますよ。
 昔からアイツの思いは聞かされてましたからね。
 ただ今の立場もありますし、さっき話したようにはやての目的が今一つ
 不明瞭な部分もありますから、迷ってるんですよ」

語気を強めてゲオルグが答えると、ヨシオカは肩をすくめて小さく首を振った。

「つまり、お前は友人である八神を信用していないわけだ」

「そう言う言い方は少しズルイんじゃないですか?」

ヨシオカの揶揄に対してゲオルグは不快そうに顔をしかめた。
するとヨシオカはゲオルグに落ち着けとばかりに手のひらを向ける。

「確かにそうだ。 だが、そう言うお前は八神に直接その疑問をぶつけたのか?」

「それは・・・。でも、本当に訊きたいことを直接尋ねるのは下策だって
 俺を教育したのは1佐じゃありませんか」

ゲオルグはヨシオカの問いかけに口をとがらせて応じる。

「そうだよ。 だが、それは敵対的な相手と対する場合の話だ。
 お前にとって八神は敵か?」

肩をすくめたヨシオカが尋ねると、ゲオルグはとんでもないとばかりに首を振った。
その様子を見ていたヨシオカはフッと笑みを浮かべた。

「なら直截に訊いてみるのもたまにはよし。だと思うね、俺は」

「そうでしょうか?」

これまでの自分とは違う考え方に、ゲオルグはすぐには首肯しかねて首を傾げた。

「言ったろ。俺はそう思うってな。 決めるのはお前だよ。
 ただ、虎穴に入らずんば虎子を得ずとも言うだろ」

「確かにそうですが・・・」

突き放すような言い方で決断を促すヨシオカであったが、ゲオルグはなおも
迷いを見せていた。
しばらくして、俯いて考え込んでいたゲオルグが顔を上げた。

「もうしばらく考えてみます。 ありがとうございました」

そう言って頭を下げるゲオルグの表情はさえなかった。

「そうか。 まあ、後悔だけはしないようにな」

ヨシオカがゲオルグを案じて声をかけると、ゲオルグは頷いて部屋を後にした。

「まあ、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ