第2話
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浮かべて揶揄するように話すゲオルグの言葉に対して
はやては頬を膨らませて抗弁する。
とはいえ、すぐにニヤリと笑ってゲオルグと意地の悪い笑みを向けあった。
この2人の関係は出会いの少しあとからずっとこんな間柄が続いていた。
「まあ、風の噂でお前が部隊を作ろうとしてるってのは
最近になってちょくちょく聞いてたから、ようやくかとは思ってたけどな」
ゲオルグはそんなセリフを口にするのだが、実際のところは部隊創設に向けた
はやての動きが本格化した直後のころから、はっきりとした情報を得ていた。
もっとも、それは彼がヨシオカから聞かされていたものであるが。
対するはやても、ゲオルグが単なる風の噂などではなく信頼できる筋から
明確な情報を得ていたであろうと判断していた。
だが、2人ともお互いにそのことは心に秘めつつ向かい合っていた。
「それで、お前は俺に何をやらせたいんだ?」
「ゲオルグくんには、副部隊長への就任をお願いしたいんよ。
仕事としては、私の補佐と私が不在の時の代理やね」
座っている椅子の背に身体を預けて腕組みしたゲオルグの問いかけに対して、
はやては机に肘をついてゲオルグの方に身をのりだし、重々しい口調で答えた。
「ふぅん、なるほどね・・・」
ゲオルグは呟くようにそう言うと俯いて目を閉じた。
じっと考え込むゲオルグの様子をはやては微動だにせず見つめていた。
やがて1分ほど経ったころ、ゲオルグは目を開けて顔を上げた。
「俺って必要か? はやてが作ろうとしてる部隊にはシグナムたちだけじゃなく
なのはやフェイトも呼ぶんだろ? 不在時の代理が必要ならアイツらの誰かに
頼めばいいだろ。 フェイトやシグナムならうまくやるんじゃないのか?」
「それは・・・」
ゲオルグの指摘に対して反論しようとするはやてをゲオルグが制する。
「まだある。戦力制限の問題だ。
新しい部隊の戦力は明らかに過剰で戦力保有制限を大きく超えるはずだ。
俺が入らなくても能力リミッターを掛ける必要があるはずだよな。
そこに俺を入れてもさらにリミッターを厳しく掛けなければならなくなるだけで
得るものはないだろ。 にもかかわらず俺を入れようとする理由は?」
そこまで言うと、ゲオルグは胸の前で組んでいた腕を机の上に置き、
両手を組み合わせてはやてをじっと見据えた。
対してはやては、目を閉じて大きく一度深呼吸するとその目を真っ直ぐ
ゲオルグに向けて話し始めた。
「私の構想では、私自身は平時においては他の部署との折衝とか情報交換の担当で、
部隊の運営事務を統括する人間を別に置きたいんよ。
で、戦闘のときは隊舎での後方支援を含めた作戦全体の指揮を私が担当して
現場で
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