EP.23 幽鬼の巨影
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すると彼女は、涙を目から溢れさせ、顔を手で覆って泣き出してしまう。
「泣くなよ、らしくねえ……」
「そうだ! 漢は涙に弱い!」
「だって……」
グレイやエルフマンの言葉に顔を覆いながらも何度も頷く彼女を見て、もう大丈夫そうだ、と思い、その場を後にする。
まだまだ終わった訳では無いのだ。
「怪我人も多い。ファントムが今攻めてくるとちょっとまずいね」
「ええ……マスターは重症。ミストガンは手が離せない。残りの頼りは貴方しかいないのよ、ラクサス」
得意のカード占いでミストガンの居場所を掴もうとしていたカナ・アルベローナだったが、ワタルの言葉から彼を頼れない事が判明し、ミラジェーンと話していた。
【あ? じじいが始めた戦争に、なんで俺がそんな事しなくちゃいけねえんだよ。ってか、あのじじいも焼きが回ったもんだな】
ミラジェーンの方は、通信用魔水晶で外部のラクサスに応援を要請しているのだが、芳しくない様子で、マカロフの重賞にも愉快そうに笑っている始末。
カナと二人で説得に当たっているところに、ルーシィのところから離れたワタルがやってきた。
「ミラ……って、お取込み中か」
【ああ……そうだった。お前がいながら、俺に助け求めるハメになるなんて情けねえ限りだぜ、まったく】
「ラクサス! ワタルも何か言ってよ!」
ワタルの姿がラクサス側の通信用魔水晶に映ったのか、愉快そうな様子から一変、不機嫌そうな顔でラクサスはワタルを罵倒し始める。
彼らのライバル関係をよく知っているミラジェーンからすれば、ラクサスの不機嫌さも理解できるのだが、今はそれどころではない。ルーシィのピンチはワタルも分かっているはず、とワタルにもラクサスを説得するように頼んだのだが……
「……ま、参加は別に義務じゃないしな。好きにすればいいさ」
【おう、物分かりが良くて助かるぜ。じゃあ、そういう事だから……】
「あ……」
「あ! おい……どういうつもりだ、ワタル!?」
罵倒にも取り合わず、涼しい顔で説得すらしなかったワタルに、ラクサスもさっさと通信を切ってしまう。ミラジェーンは通信が切れる直前に何かに気付いたようだったが、役目を終えた魔水晶も粉々に割れてしまう。
一方でカナは怒ってワタルに尋ねるも、彼は涼しい表情を崩さない。
「ったく、相変わらず素直じゃねえな、アイツも……ミラは気づいてるだろ?」
「……ええ。ラクサスの後ろ、でしょ? それにしても困ったわね……次は私も戦おうかしら」
「元S級でも、それはやめておいた方が良いだろ……エルザはシャワー室?」
「ええ、そうよ……覗くつもり?」
「んなわけあるか」
やんわりと否定し
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