暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十一話
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いためなのだろうか。その本来の戦闘センス(ポテンシャル)が十二分に開花し、圧倒的な戦闘力を見せている。次の一手が見えない。繰り出す技が変則的すぎる。一撃一撃に迷いがない。攻撃が重い。

 セモンは生まれてきた時代を、ある意味で間違えてきた人間なのだろう。彼の戦闘センスは非常に高い。直感性に長けたセモンの攻撃は、的確にハザードの痛いところをついてくるし、武器の性能差にも驕ることなく、冷徹に善手を繰り出してくる。戦乱の時代に生まれて来たならば、きっと英雄にだって成れた。今更ながら、セモンのユニークスキル《神話剣》の名と、つけられた異名《神話の勇者》のことを意識させられる。

 第三者的視点で見れば、セモンとハザードの戦いは拮抗しているように見えるだろう。だが、実際のところ、違う。ハザードは先ほどから押され続けている。それでもどうにかして拮抗しているように()()()いるのは、レノンと融合したことによって与えられた身体能力のたまものだろう。

 恐らく、このままでは勝てない。親友(セモン)は、ハザードが思っていたよりもずっとずっと強かったのだ。

 思い出すのは、はるか十年以上前のこと。セモン/清文と琥珀が、初めてリアルで出会った時のこと。琥珀が清文に好意を寄せるきっかけになったあの出来事。

 ハザード/秋也はあの時、清文に対して「何を考えているのだろう、こいつは」という困惑を抱いた。感情で突き進み、危険を顧みない。

 だが、それは裏を返せば、セモンは何一つ迷っていなかった、という驚愕すべき事実だ。彼は自らの行動に絶対の自信をもち、それが成功すると信じて疑わなかった。

 今のセモンはその無茶無謀を、いくらかは成長した精神力で押さえていたのだろう。だが、その精神力(抑止力)を、精神支配によって解除された今、セモンは自らの直感に従って行動する存在と化している。

 そして、セモンの直感は、野生児のように精度が高い。彼が『可能だ』と信じたことは、大体可能なのだ。

 だから今、セモンの攻撃には一切の迷いがない。もたもたしていたら、ハザードは即座に切られる。

 では、それを回避するにはどうすればいいのか。簡単だ。ハザードが、セモンに勝っている部分をフルに使えばいい。

 もう、出し惜しみをしている場合ではないと、直感する。

「――――《アクティヴ・バースト》!」

 第三者視点で見れば、この時、ハザードの瞳が、真鍮色に光り輝いていたのが分かるだろう。同時に、ハザードが見る世界の色が明るくなっていく。情報量が増える。周囲の時間が、停滞する。

 常識に照らせば空恐ろしいほどのスピードで、ハザードの脳が演算を開始したのだ。

 加速機能だ。だが、その性質は、アンダーワールドの加速機能
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