オーバーロード編
第12話 Mission・オーバーロードを捕獲せよ
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《 オリーブオーレ 》
『はああああ――たぁ!』
警棒と無双セイバーにエネルギーを流し、交差させて前へ押し出した。ソニックブームの壁がデェムシュの火球を防いだ。
『がっ!?』
火球を弾いた反動でシャロームは後ろに吹き飛ばされた。
『角居君!』
『だい、じょうぶ…!』
シャロームは自力で起き上がり、警棒を再び構えた。しかしすぐにふらつく。
膝を再び折りかけたシャロームを、マリカが支えてくれた。
《包囲網が機能していないぞ。地上部隊、何をしている》
『これ以上の戦闘続行は不可能ですっ』
《多少の犠牲は構わない。オーバーロードの捕獲を、最優先したまえ》
『……多少って何だよ』
命令するほうは楽でいい。屍の山河となったこの現場を見せてやりたい。いや、観てはいるはずだ。ただあの男は現場の苦痛を知らないだけ。それが大きな溝を生む。
『何だよ。俺も耀子さんも黒影の人たちも、あんたの使い捨ての道具じゃねえんだぞ! 多少なもんかよ。甚大だよ! あんたのせいで何人無駄に死んだと思ってやがる!』
《不満ならそれこそ迅速にあのオーバーロードを捕獲すればいいじゃないか。それで犠牲は減る》
『ゲスが……!』
そこで横からシャロームの腕をマリカが掴んだ。
マリカは、ただ首を振った。訴えても届きはしない、と諦めているように。
マリカの手が離れ、彼女の手は震えながらもソニックアローを構えている。凌馬の命令だから。凌馬の望みだから。
シャロームは反対側からマリカの弓を掴み、引いた弦に指を重ねた。
『あなた……』
『倒れかけ二人分。これできっと一人分だ』
『悪くないわね』
二人でぎりぎりまで弦を引き絞った。
シャロームとマリカは同時に弦を離した。
桃色と草色が混ざったソニックアローがデェムシュを射抜いた。矢は刺さっただけでなく、デェムシュを何メートルも下がらせた。
『やった……!』
『おノれ! サルごトキが!』
止まったデェムシュは、刺さった矢を抜き捨て、杖剣を構えた。
シャロームとマリカは揃って膝を突いた。傾ぐマリカをシャロームは体で守ろうと抱き締めた。
(ここまでか――!)
杖剣に生じた火球が放たれた――が、火球は彼らを燃やすことはなかった。
彼らの後ろから飛んできたレモン色のソニックアローが、火球にぶつかって相殺したからだ。
『やはり手こずっていたか』
ふり返る。ゲネシスバロンとナックルが立っていた。バロンは矢を放った直後のような姿勢だ。
シャロームはフェイスマスクの下でほくそ笑んだ。
『ぜってー戻ると思ったぜ』
バロンとナックルがシャロームとマリカの両脇を駆け抜け、デェム
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