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アラガミになった訳だが……どうしよう
夫になった訳だが……どうしよう?
57話
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鉱山から出た瞬間ジルに回し蹴りをくらった。どうやらプラズマを放って、匣を開いた時に漏れ出た空気が入り口で待っていたジル達のところまで結構な衝撃で出たらしく、レオは重量ゆえによろめいた程度だったがジルは頭から雪に突っ込んだらしい。
「ええ、状況は分かりますよ。私も分別のつかない子供じゃありませんし、キュウビとはそれ程までに強かったのでしょう。
ええ、ええ、よーーく分かりますよ?でも、私のやり場のない怒りをぶつける位は許して欲しいのです」
「あ、ああ、それは分かったんだが……うん、向こう脛を執拗に蹴るのはやめて貰えないか?最初の回し蹴りで勘弁して欲しいんだが?家庭内暴力は良くないと思うだよ、俺は」
「おやおや、可愛い可愛い愛娘のスキンシップを家庭内暴力とは心外ですね」
「いや、割と痛いからな?それと可愛いを自分で言うな、自分で」
「可愛くないと?」
「親の贔屓目として可愛いぞ」
「……何とも反応に困る返答ですね。その贔屓目が一体どの程度のものか、小一時間程問い詰めたいところですが……いい加減体も冷えてたのでこの辺りで勘弁しておきましょう」
「そりゃ結構、じゃあ暖まってもらう為にも風呂でも沸かすとしよう」
俺は地面を殴りつけ、それなりのサイズの穴を開けて底にマントを貼り付ける。そして周囲の雪を溶かした湯を注ぎ、イザナミに風呂の周囲覆い隠すように黒い腕で天井と壁を作ってもらう。
「ほれ、暖まってこい。その間に何かを作っておくから」
「お父様が料理?……できるんですか?」
不安げな視線を向けられたが、イザナミ程では無いにしろそこそこの腕はあると自負している。イザナミに関しては俺から学んだ後、本当に鬼のような量の料理を作り続けて来たのもあっていつの間にやら抜かされていた。
いや、俺がその間殆ど料理をしなかったから当然と言えば当然なんだがな。とはいえ、昔取ったなんとやらだ。
材料さえあればそれなりのものは作れるさ。
「少しは信用しろ、暖かい何かしらを作っておくから、な」
「分かりました、それでは期待して待っていますよ」
「あっ、私も入るよ。土やらなんやら被っちゃったから、さっと流してからおきたいからね」
「はいはい」
イザナミとジルが風呂へ向かっている間、鉱山に来るまでに何本か拾い集めた枝に火を灯し、その上に大きめの鍋を置く。
そして、そこに情報を集める時に買った食材の中からチキンストックを鍋に注ごうとしたが、この極寒の地ではすでに氷になっていたので鍋に放り込んで溶けるのを待つ。その間、小魚という事で色々な種類をごちゃ混ぜにして安値で売っていた魚の内蔵や鱗を処理する。
「お父さん、僕も何か手伝えないかな?」
俺の作業を見ていたレオが退屈そうにそう声をかけてきたので少し考えて、粒コショウを挽くことと、ジャガイモ
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