十九話:お話し
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聞いてみたいわ。」
「分かりました。」
何かを思い出すように目を閉じるユニ殿。
「あれは私が四歳の時でした―――」
〜回想〜
あれは私の四歳の誕生日会の日でした。
いつもは会わないような方々と会って疲れてしまった幼い私はいつもより早く床に着いていました。
「……どなたですか?」
「声を出さないように口をふさげ。」
「は!!」
「―――――――っ!!?」
寝ているところを謎の男達に攫われ、私はどこだか良く分からない場所に連れていかれてしまいました。後で知った話ですがその男達は私達ジッリョネロファミリーの反対勢力の人達だったみたいです。
「おい、この娘がジッリョネロファミリーのボスの娘で間違いないんだな?」
「はい、間違いありません。後はこの娘を交渉材料にしてあいつをボスの座から引きずり落とすだけですね。」
「ああ、こいつは貴重な人質だ。奪い返されないように隠しておけ。」
「はい。」
「―――――――」
「というわけだ、せいぜい大人しくしてるんだな。」
そのまま真っ暗な部屋に連れていかれた私は恐怖でどうにかなってしまいそうでした。
幼かった私にはただでさえ怖かった暗闇がまるで死への誘いのように感じられました……。
今でもその時のトラウマから夜一人で眠ることが出来ません。
「………おい、こいつ寝てやがるぜ。」
「本当だな……天然なのか、大物なのか……まあ俺達には関係ないな。」
突然外から聞こえた声に私は耳を澄ませました。とにかく一人で怖かったその時の私には例え私を攫った方々の声であっても人が近くにいるという安心の方が大きかったのです。
私が閉じ込められていた部屋の扉が開き、新たな子供を担いだ男達が入ってきました。
「新入りだぜ、お嬢ちゃん。せいぜい仲良くするんだな。まあ、喋れないけどな。」
「おい、さっさと戻って計画の成功を祝って一杯飲もうぜ。」
「そうだな……じゃあ、大人しくしてろよ。」
それだけ言い残して男達は去っていきました。その時私は失礼なことですがその子が私と同じように攫われてきたことを喜ばしく思っていました。何というのでしょうか?同族意識といいますか……とにかく一人じゃなくなったことに私は喜んでいました。
しゃべることも出来ないのでせめて傍に居ようと思って近づくと、規則正しい寝息が聞こえてきたんです。男達が言っていた通りその子は寝ていたのです。自分が攫われているにも関わらずにですよ?すごいですよね。私なんて不安で泣き出してしまいそうだったのにその子は怯えるどころか何事もないかのように寝ているんですから。
その時とにかく寂しかった私は暗くて良く分かりませんでしたが何とかその子の胸を探して当てて耳を当てました。私が不安な時や泣
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