第十話【似た者同士】
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ういう神経しているんだ! あの先生は!」
ゲームを心配そうに見る快を睨み付ける。
「それは、悪かったよぉ。今度からは気を付けるからぁ、ゲームは悪くないだろぉ?」
「知るか」
ゲームを壊す勢いでに力を入れる。嫌な音が鳴り出す。
「ゲームが! ……って、大丈夫かぁ?」
急に玄関の扉が開き陽奈のドロップキックが俺を襲う。
「痛っ! 急になにするんだよ!」
「あっ! 間違えた」
間違えた? なにを今更。
「なにを間違えたんだ?」
「本当は変態を褒めようと思っていたのに。どうしてだろう?」
それは拒絶反応からでは……。
「どうでもいいか。今日はありがとう」
と言って、手を差し伸べてくれる。悪いなと言い手を掴んだら、今度は急にビンタが飛んでくる! 勿論、直撃。
「ご、ごめん」
本人も唖然としている、どうやらマジで無意識内にやってしまうらしい。悪気がなさそうなので、大丈夫。と言って、一人で立ち上がる。
「そうだぁ。凛の奴は? 一緒じゃないのかぁ?」
「本当だ。今日の主役さんはどこに?」
辺りを見渡しても陽奈以外に人の気配はしない。
「今頃、家じゃない?」
「家? 家に忘れ物でもしたのかよ?」
「知らないわよ! それよりも確り出来ているんでしょうね?」
「もちろん。完璧だからなぁ」
何を偉そうに言っているんだ、お前は何もしてないだろ。
「完璧に出来ているんだよね?」
「あはは、出来ていますよ、陽奈さん」
この様子だと誇り一つあっても許されそうにないな。はあ、またやり直しか……。
☆
リビング全体を見渡す陽奈。いつ殴られるのかを警戒しながら陽奈の様子を窺う。
「結構、綺麗にできてるじゃない。文句なしよ」
ひとまず、胸を撫で下ろす。
「それより、この子誰? 私、こんな子呼んだ覚えはないよ」
陽奈は、加藤君やみんなと一緒にトランプをしている光君を見て言う。
「幸谷光君だって、百田君の従兄弟らしいよ。百田君の家の人、今日は遅くて一人にするのもアレだから、連れてきたって」
陽奈はこちらを見る。そして、また光君を見る。
「百田栗生の従兄弟なのに変態と同じ名字なんだ」
あれ、確かに陽奈の言うとおり、百田君の従兄弟なのに幸谷って、可笑しくはないけど幸谷という名字は少ないって親父が言っていたんだけどな。
「いいじゃんか、子ども一人ぐらい増えたってね。陽奈ぽんは嫌いかね子ども」
トランプでもう上がっていた、葭原さんが陽奈をからかう。
「なに言ってるんだなぁ。我が妹は、そんなに器の小さい子に育ててねぇよぉ」
珍しく快が陽奈を庇う。葭原さんは陽奈の後ろに回る。
「なら、お兄さんは、陽奈ぽんの器は大きくしても、胸も大きくしてあげなかったの?」
陽奈の胸を揉もうとする
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