第七話【懐かしきあの頃】
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せしますよ、凛さん」
なんだか、この懐かしいやり取りが楽しいと思もえた。
「なににやにやしているのよ。この変態」
「にやにやとかしてねぇよ。ちょっと、懐かしいなと思って」
厚かましい? と聞き間違えて凛が聞いてくる。違う、懐かしい。と答える。
「なにが懐かしいのよ。アンタ、向こうの学校でのことでも思い出していたの?」
「違う、このやり取りが懐かしいんだよ」
このやり取りね。と凛が顔を顰める。なんか文句あるのかよ? と聞く、別に。と愛想なく答える。
「アンタさ、転校する前の日のこと覚えている?」
転校する前のことか。そう言えば、凛の家でお別れ会的なことしたんだっけ。
「覚えているよ。確か凛の家でお別れ会開いてくれたんだよな、小学校の友達数人と」
凛と一緒に、会えなくなるの嫌っ! 一緒にいたいぃ! って、大泣きしていたっけな。
「一緒に泣いた時のことも覚えているの?」
「そりゃ、覚えているよ。今となってはなんで泣いてか、いまいち、覚えてないけど……」
一緒にいたい。って、大泣きしたのは覚えているんだけど。なんで、一緒にいたいって言ってたんだけ?
「……そっか。覚えてないか」
まただ。たまに見せる凛の憂い顔がいつも胸に刺さる。
「どうした、凛。大丈夫か?」
凛は慌てたようすで、えっ! 大丈夫もなにも、どうもしてないよ。と言って作り笑顔を作る。
「どこに異常が? 大地の目が腐っているんじゃないの」
いつものようにバカにする。けど、やっぱり取り繕っていることが分かる。
「いや、気のせいみたいだったみたいだ。悪い」
そう。と言って凛は前を向く。まるで自分の顔を見せないように……。って、これは考え過ぎだな、俺。
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