土下座の前に・・・
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ている。それに敵とて2年間まともな軍隊の運用が出来ず、浮足立っているのも事実。ここで的確な一撃を与えれば一気に戦局は泥沼化、敵とて条件を飲まざるえません」
大佐はにやりとしてマルセルに目配せする。そう、実は既にバーゼルとすり合わせていたことがある。これを手柄として流してくれた。代わりに昇進や、色々の手配をしたが・・・
「私に一つ提案がある。聞いてくれるかな?」
全員がマルセルを見る。マルセルはそれを確認してから口を開く。
彼の転移前記憶で最大のチートの瞬間。そして世界を捻じ曲げ、自分でもこれからどうなるか分からない未知の領域へと突っ込んでいく。
7月9日
23時00分
サンサルバシオン首都
非常にきれいな街並み、湖畔は灯火管制のもとで暗く沈み、それが敵の動きも分からず、同時に味方の動きも相手に悟られない好機であった。
ISAF軍の前進部隊は首都から少し離れた場所に既に展開し、後は首都の市民軍・・・レジスタンスの動きに合わせて戦争をするだけだった。
しかし、情報がおかしくなったのはつい先日、エルジアで起きたクーデター、そして政権交代により、新たな大統領に就任、同時を再編、前線の士官学校出の青年将校、後方の高級将校が粛清されるという事件が発生し、これが国民にかなりの支持を受けているという異常事態が発生している。
また、かなりの部隊が撤退を開始するなど、急激な状況の変化に各軍混乱している。
しかしこのファイアフライ作戦は将校たちは作戦の短縮、延期を許さなかった。
なぜなら、レジスタンスと共同で解放するという劇的な場面を世界の報道機関に公開、強くアピールすることで、ISAFの正当性とエルジアの悪を強調出来る。
そんな真っ暗な世界でさらに鬱蒼とした森の中で待機する部隊。
「だからといってこの状況は・・・」
「ぼやきなさんな中尉殿、世の中理不尽でない作戦なんてないんです」
「やめろ」
FCU陸軍11猟兵旅団所属小隊、ベルツ・クローザー中尉、宥めるのは新米士官時代から鍛えてくれて、そして支えてくれる最古参、ダドル・ネイト曹長である。
ベルツは大陸戦争が開戦した年に卒業し、優秀な戦闘成績で特別に精鋭部隊に配属されている。
自分たちの仕事は一応のための警戒陣地で後方の大隊本部、引いては田園地帯に展開中の大規模部隊を守る。
「まったく、市民軍と結託しなけりゃ倒せないなんて・・・」
ため息をつくとダドルが
「仕方ないですよ。こと市街地戦においては現地の人間と共同した方がよい」
「それは分かるが・・・ISAF軍も真っ暗だな」
メビウス1という規格外を除き、この軍もエルジアに負けず危険な状態だ。まだ猟兵部隊は維持しているが、逆にそれ以外の部隊は新兵と、威張ることだけの古参兵のみ
「一度大陸の端までやられてここまで立て直し
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