第18話 アンリエッタ生誕
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ブリミル暦6225年 ギューフの月 ヘイムダルの週 マンの曜日
皇紀2783年11月12日 トリステイン王国 トリスタニア(首都) トリスタニア王宮
Side エドワード1世
謁見の間にて、玉座に座る一人の20代後半の男性がいた。彼こそは現トリステイン王エドワード1世である。その佇まいは、小国の王ではあるが威厳があった。その横には、30代の青年が立っていた。彼は、王宮の重鎮でラ・ヴァリエール公爵であった。エドワード1世陛下には、第一子のアンリエッタが生まれ、各国の代表やトリステインの貴族の方々が御祝いに多数、駆け付けているのであった。
光輝もその一人である。
「太平洋連邦、親善大使。御成〜り〜。」
広間に呼び出しの声が響く。
扉を衛兵が開き、光輝が入って来る。
光輝は玉座の前まで歩いて行き、床に膝を付いて額ずいた。
「面を上げよ。」
エドワード1世は、光輝に命令する。その声は、威厳に満ちていた。
光輝は、ゆっくり面を上げた。
「太平洋連邦とな、我が即位した時に豪勢な贈物を貰ったぞ。」
「私もそうです。公爵家の当主になった折も長女や次女が産まれた折も、豪華な贈物を貰いました。」
ラ・ヴァリエール公爵が話に割り込んできた。
「其方もそうか。それでは、この度の用件を聞こう。」
「まずは、謁見ありがとうごさいます。トリステイン王国の陛下にアンリエッタ様が生まれた由、お祝いを申し上げます。
太平洋連邦は、ハルケギニアより遥か遠くの海を隔てた島々の国の連合体です。私くしは、その島国の一つである、日本帝国の貴族を拝命しています。光輝・一条と申します。この度は、太平洋連邦を代表して、親善大使として親書と贈物をお持ちしました。」
光輝は、お付の人に親書と贈物の目録を差し出した。
「態々、遠くより使者ご苦労。其方の事は、覚えておる。全然、歳を取らなんだな。書簡が気になる。この場で読ませて貰うぞ。」
光輝に確認を取り、書簡を読み始めた。
通常、この様な御祝いでは、書簡をその場で読む事はない。異例であった。それだけ、心象を良くしていた。
「つっ・・・。」
「どうかしましたか陛下。」
書簡を読み、驚いた様子の陛下に、怪訝な表情のラ・ヴァリエール公爵が尋ねる。
「これは、驚いたぞ。其方も読んで見ろ、驚くぞ。」
陛下がラ・ヴァリエール公爵に書簡を渡した。
「こっ・・これは、私くしめも、驚きました・・・。」
親書には、お祝いの言葉と正式な国交のお願いが書かれていた。正式な国交樹立の為に、近く事前協議の為の親善使節を派遣する旨と、国交を結んだ際に贈られる贈物が書
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