暁 〜小説投稿サイト〜
口〜春蘇与儀詩集〜

[8]前話
真実の口が俺に語りかける
「お前の貧しさを教えてやる」と
その声は怖くて 何も聴きたくない
歪んでいた自分を 隠して笑う

いつかお前もやり場の無いゴミになる
萎れたカスになって 淡い夢を見ていた

何も解らず 何も知られず
全ての人々に 冷たくされながら

哀しさも愛情も 落ちるなかで見失った
だけど涙はすぐに枯れ 気も確かにここにある

俺は嘘つき 俺は偽善者
人目を気にして 演技で悲しみ
煙のように 笑うだけ

余計な事をずいぶん口にしたけれど
どうか 全て忘れてほしい
俺の姿を見てくれた
あなたにこそ愛を捧げる

本当は俺は何も救わない
俺が守るのは財布の口だけ
俺は全てが暗くて灰色
曲がった艶が怪しく光るだけ

真実の口が俺に語りかける
見える物全てが俺を許してくれる
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ