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旧エクリプス(銀河英雄伝説編)
第01話 転移
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頼む。後のバイオロイドは、全て西洋人にしてある。
戸籍は、ハッキングして作る予定だ。当面の活動資金も宝石類を錬金して、販売益を得る。拠点は、その資金で広い土地を購入して、錬金で作る。
転移先は、帝国暦454年の首都星オーディン郊外とする。フリードリヒが皇太子になる前年でもある。介入を始めるのに、丁度良い。」

「ファザー質問です。分身体とは、何ですか?」

未来(みく)が質問する。未来(みく)と光司は、光輝とマザーに育てられた。所謂(いわゆる)、育ての親だ。公式の場所以外では、ファザーと呼んでいる。

「クローンは、分かるな。同じ遺伝子で、造られた人間だ。しかし、全く同じではない。育った環境によって、オリジナルとは別の個性を持つ。
一方、バイオロイドは、人間遺伝子から作られるが、プラントで急速培養される。しかし、頭脳の大半は、高度なAIだ。
しかし、ゴーストダビング装置で本人のコピーが作れる。但し、元の世界技術では、劣化する。どうしても同じにならない。俺の場合は、別だ。脳の大半が量子電導脳に置き換わっている。量子電導脳を並列化すれば、完全なコピーが出来る。簡単に言うと、アナログコピーとデジタルコピーの違いの様なものだ。完全なコピーなので、分身体と読んでいるにすぎない。他に意見が無ければ、早速転移を始めよう。」

出席者は、全員頷いた。他に意見は、無いようだ。

モニターに、技研の実験場が移る。

『早速プラン通り、始めてくれ。』

光輝が現場に、電脳通信で指示を出す。

小型艦が地上から、ふわりと浮き上がった。
それを確認した、虚無のメイジが世界扉(ワールドドア)の呪文を唱える。

『ユル・イル・ナウシズ・ゲーボ・シル・マリ ハガス・エオルー・ペオース・・・。』

長い呪文が終わると、空中に鏡の様な物が浮かび上がった。
小型艦は、鏡に向かって前進して行った。鏡を素通りした直後、鏡は消え術者は膝をついた。精神力を使い果たしたのだ。

「転移は成功したようですね。光輝。」

マザーが感想を述べる。

「そのようだな。」

「今、小型艦より通信が入りました。無事成功との事です。」


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