リリカルなのは
反逆のスカリエッティ
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目の前にはアルカンシェルを発砲寸前の管理局の艦隊がいる。
すでにバレルが展開され、あと数十秒でチャージが完了するだろう。
搭乗員たちは全員避難させた。
俺も一緒に避難するものとばかり思っていた彼女たちからは、脱出するようにひっきりなしに念話が届いている。
だが、このままでは逃げたところでアルカンシェルが放たれて一貫の終わりだ。
息子や娘同前に思っていた彼女たちを死なせてなるものか。
あいにくこの船に武装はない。
この状況をどうにかするためには――――
「――――特攻だな」
結論から言えば、捨て身の自爆攻撃でしかこの窮地を打開する方法がない。
せいぜい盛大に自爆してやろう。
これしか生き残る道はないのだから。
自爆はロマンと思って自爆装置をつけていたのが、こんなところで役に立つとは……。
まさに、「こんなこともあろうかと」状態である。
「フッ、どうせ一度死んだ身。それほど惜しい命ではない」
こんなときでもスカさんマウスは、かっこよさげなセリフを吐きますね。
ぶれないなあ。
我がことながら苦笑してしまう。
本当はとても怖い。
なまじ一度目の「死」を知っている分、死ぬことの恐ろしさはよくわかっている。
でもね。
そんなことよりも、もっと恐ろしいものがある。
それは、
家族が死ぬことだ。
生まれてから違法実験の数々を強制されたころは、地獄の日々だった。
なんとか生き残って平穏な人生を送るために、ナンバーズを稼働させた。
脱出してから、たまたま立ち寄った海鳴市ではやてと出会って、一緒に暮らすようになった。
フェイトを助けるためにプレシアと取引をした。
深入りするつもりはなかったのに、いつの間にか、テスタロッサ家とは家族ぐるみの付き合いをすることになった。
高町なのはとも交流するようになって、原作ブレイクをしてしまった。
管理局の違法実験に巻き込まれた子どもたちを拾って、孤児院を運営した。
ヴィヴィオを育て、エリオとキャロも引き取った。
俺の側には常に誰かが居た。
何もわからず転生憑依させられ、必死に生きてきた。
平穏な生活が当初の目的だったのに、いつの間にか守るべき「家族」が増えていた。
騒がしい日々の中、いつの間にかそんな日々を楽しんでいる自分がいた。
ああ、そうか。
俺は、みんなの笑顔に救われていたんだ。
なら、今度は俺が家族を守る番だな。
うん、何の問題もない。
捨て身の突撃に気づいた管理局艦隊はあわてて回避行動をしようとするが、もう遅いッ!
「わが生涯に一片の悔いなし!」
自爆装置のスイッチに手を
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