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その魂に祝福を
魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――5
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 僕らと敵対した理由はあくまでもあの少女を守るためだった。一切の予備知識を持たない状態で、あの状況に出くわせば誰だって……他ならぬ僕だってそう判断する。そんな事はすでに認めていたはずだ。それに、
『少し派手に暴れるから、お前達はもう一つの方に行っていろ』
 あの日――怪物が暴れまわったあの日。御神光はこう言ったはずだ。
『ここらでこの腕を満足させてやらないと悲惨な事になりかねないからな』
 彼が殺したのは、実体のない幻影。深刻化する暴走に対する、最も被害のない手段。それなら、
 彼の一体何が脅威だった?
 誰にとっての脅威だった?
 誰が何をするための脅威だった?
 そもそも、それは本当に脅威と呼ばなければならないものだったか?
「御神光は、誰かを殺そうとしている……」
 言い訳のように呟く。
 ああ、そうだ。その誰かにとっては脅威だろう。だが、この世界を守るためにその誰かを犠牲にするとして――それは、たった今三人を犠牲にして決着をつけようとした僕らと何が違う?
「さっきの攻撃は、誰によるものだった?」
 そして、何より根本的なところで。
 御神光は、誰を殺す気でいる?
 その誰かを殺せば、何故殺戮衝動が止まる?
 いや、そもそも何故蘇った?
『ごめん、分かんない。ただ、あの攻撃は次元跳躍攻撃だったよ。アースラも攻撃されて、被害が出てるけど……問題なのはそんな事じゃなくて、』
「それだけの魔導師が背後にいる、か……」
 次元跳躍攻撃。その名の通り次元を超えて撃ちこまれる攻撃魔法。体力的にも魔力的にも消耗が激しく、並の魔導師では扱う事すらできない。単純に考えてクラスS以上。だが、
(その魔導師は、御神光達の味方だと言えるのか?)
 あの一撃はどう考えても彼らを狙っていた。いや、違う。あの子だ。彼が行動を共にしている金髪の魔導師。彼女が狙いだった。つまり、御神光が彼女達と行動を共にしている理由は――
(彼女達を守るため?)
 そもそも。御神光がそれ以外の理由で動いた事が今まで一度でもあっただろうか。
 だとしたら、僕らは根本からこの事件への介入方法を間違えているのではないか?
「僕らはどうするべきだった?」
 もちろん、ロストロギアの脅威を放置する事は出来ない。それを最優先に回収する事は絶対に不可欠だった。だが、その為の方法はこれが最適だったといえるのか。
 この世界を守るために最善の選択をしたはずだった。だが、それならこの結果は何だ。誰もいない。何一つ掴めない。協力者さえ去った。
(この世界を守るために、僕らはこれからどうすればいい?)
 アースラに被害が出ているとなれば、しばらく動けないだろう。二日か、三日か。詳しい事は戻って訊いてみなければ分からないが。
 これから僕らがすべきこと。それを見つけ
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