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その魂に祝福を
魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――5
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近づく。ほとんど激突するように。
「光お兄ちゃん!?」
 なのはの声は無視して、用意できるだけの魔力を練り上げ――
「氷塊よ!」
 空に手を掲げ、巨大な氷塊の盾を生み出す。それと同時だった。
 ゴッ!――と、衝撃波が襲いかかる。紫色の閃光が視界を塗りつぶした。雷撃。攻撃の正体はそれだった。
(マズい……ッ!)
 この攻撃は、相性が悪い。そのうえで、さらに異常な破壊力を秘めている。盾が悲鳴を上げ、クモの巣のような亀裂が走った。あと数秒も耐えられない――が、それだけ耐えられれば充分だ。
「リブロム、行け!」
『クソったれ! 重量超過にも程があるぜ!』
 毒づきながら、それでもリブロムは魔法を発動させる。俺を除く全員の姿が消えたと同時、盾が断末魔の悲鳴を上げて砕け散った。雷撃に身体が引き裂かれる。束の間意識を失っていたのかもしれない。だが、
「邪魔をするなああああああッ!」
 アルフの叫びを確かに聞いた。彼女は必死にジュエルシードに手を伸ばす――が、それよりクロノの方が速そうだ。
「クソったれが……!」
 魔力を練り上げ、右手を突きつける。
 轟、と風が動く。全てを吹き飛ばすような突風だが――実際は逆だ。魔力を宿すものをこちらに呼び寄せる。さすがに、クロノは踏みとどまったようだ。アルフは最初から僅かに範囲の外にいる。つまり、ジュエルシードだけが俺の手の中に飛び込んでくる。
 その数は五つ。一つは、途中でアルフが掴み取っているのが見えた。
(これでいい……)
 維持できなくなった翼が霧散する。重力に抗う術がなくなった。海面が迫る。今さら魔力を練り上げる余裕もないし、ついでに言えばその気にもなれなかった。必要な手札揃った。次に必要なのは状況だ。
「これからが反撃の時だ、クソ野郎ども」
 管理局か。プレシアか。それとも世界の裏側でほくそ笑んでいるであろうあの連中か。誰に向けたのか自分でもよく分からないまま毒づく。
 そのためには、いくつか仕込んでおかなければならないことがある。だからまずは――手の内にあるジュエルシードを間違っても落とすことのないよう懐にしっかりと収める。それと同時、海面へと激突していた。




「きゃあああッ!?」
 急に落ちてきた雷は多分魔法によるものだったのだろう。その攻撃からは、光とリブロムが守ってくれたものの――衝撃に煽られ、私達はバラバラになってしまう。
 リブロムは私がしっかりと抱えたまま。だけど、他の三人はどこに?――雷によって巻き上げられた海の水が、雨のように降り注ぐ中ではろくに周りが見えない。
「光お兄ちゃん、ユーノ君!」
 あの子達の名前が分からない。呼びたいのに。今すぐにその名前を呼びたいのに。
≪僕は無事だよ! そんな事より光さん達を!≫
 ユーノからの返事。ひ
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