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その魂に祝福を
魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――5
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のは極めて困難だろう――が、種が分かればそれで充分だ。
(今になってようやく使ってきたって事は――)
 固有振動数を割り出すためには、一定の時間が必要だと言う事だ。なら、それを崩してやればいい。重心を動かし、拮抗状態を崩す。そして、
「ガフ……ッ?!」
 体勢を崩し、僅かに前のめりになったクロノの顎を蹴りあげる。何かしらの対策をしてきたらしく、妙な感触だったが、関係ない。
(武器を揺さぶった程度で勝てると思うな。御神流・裏は恐ろしいぞ?)
 士郎や恭也、美由紀などは大切なものを守るための手段だと言っているが、元々御神流――永全不動八門一派・御神真刀流小太刀二刀術とは剣術のみならず体術や暗器などを駆使する殺人術である。その中で、裏とはさらに殺しに特化している。……らしい。少なくとも相棒はそう言っていた。その全てを受け継いだなどとは口が裂けても言えないが。
(この妖刀にはその記憶がある)
 この供物を使っている限り、かなりの精度で再現できる。そうなれば、ちょっとやそっとの小細工は無意味だ。例えば、こんな打法もある。
「がッ!」
 慌てて距離を開こうとしたクロノの退路を断ち、無防備な鳩尾を拳で貫く。確かに、ただの拳でこいつらの法衣を抜くのは不可能だが、
「何故だ……。物理防御も固めたはず」
「素手でも甲冑を着た人間を殺したいと思って、実際にその方法を編みだす。人間ってのはそういう生き物らしい」
 甲冑の上から心臓を止める――つまりは、衝撃を貫通させる特殊な打法。それを御神流では徹と呼ぶらしい。しかも、それを剣術だろうが体術だろうが関係なく込められると言うのだから、やはりこの一族は相当に業が深い。
「魔法使いの俺には、魔法を使わない限り再現できないが……まぁ、魔法なんぞ使わなくても人は魔法使いを殺せるって事さ」
 実際にセルト人は魔法を持たぬロムロス人に滅ぼされた訳だ。相棒――御神美沙斗を見ているとその理由がよく分かる。……まぁ、冷静に考えてあんな化物がそう何人もいる訳がないのだが。
「――ッ!?」
 その瞬間。膨大な魔力を感じた。それの出所を理解する前に空を見上げていた。ジュエルシードの暴走が鎮まり、禁術が雲を薙ぎ払い強引に造りだした、何もない青空。だが、
(何が来る……?)
 今まで培ってきた戦闘経験が叫ぶ。必ず危機が迫っていると。その瞬間が迫る中、視線を動かす。見えたのは、フェイトとなのは。そして、リブロムとアルフ。そこで起こっているのは、戦闘ではない。
 なのはとリブロム――見覚えのない金髪の少年までが、フェイトとアルフと言葉を交わし、二人を守ろうとしている。それが、気に入らなかったという事か。
「クソッ! そこまでするか!?」
 迫る危険に気づかないまま戦闘を続行しようとするクロノを蹴り――その反動で、なのは達に
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