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その魂に祝福を
魔石の時代
第三章
世界が終わるまで、あと――5
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層が――!)
 今目の前で起こっているのは、世界を終わりに導きかねない事態だった。思わず足がすくむ。知識としてはすでに知っていたが――いや、だからこそ目前につき付けられた光景に途方もない恐怖を覚えていた。
「あの! 私、急いで現場に――」
 悲鳴のようになのはが声を上げる。だが、
「その必要はないよ。放っておけば彼らは自滅する」
 クロノは冷静に――少なくとも、表面上は冷静に言い放った。その声に触発されて、沸き起こっていた恐怖が僅かに鎮まる。
(そうか。それが狙いか……)
 確かにこの状況は、管理局にとっては願ったり叶ったりだろう。いくら光といえど、あれだけのジュエルシードを相手にすれば消耗は避けられない。もちろん、あの金髪の少女達も同じだ。そして、彼らの目的が世界の消滅ではないのは明らかだった。光達は全力で封印に当たるだろう。彼らの力を考えれば、封印そのものは成功する――少なくとも、致命的な暴走には繋がらないはずだ。だからこそクロノ達は落ち着いている。それはある意味で信頼だと言えるのだろう。本当に皮肉な形だが。
(確かに暴走はしない。そして――)
 それに加えて、光達は深刻に消耗する。それこそ、本当に自滅しかねないほどに。自滅こそ回避しても、その後に迫る脅威を――クロノ・ハラオウンという魔導師を払いのけられるほどの余力が残るか。
(いくらなんでも、それは……)
 不可能だ。目の前の魔導師は、それくらいの自負を持っているだろう。それを実証できる状況は今まさに整いつつある。そして、実証されれば何の苦労も無く、全てのジュエルシードが管理局の手に転がり込んでくると言う訳だ。
 最も消耗なく。最も危険なく。最も確実にこの世界を救う手段。それは、たった三人の犠牲でなされる。だが、
『心配するな。奴らはまだこないさ』
 それを見透かしたように、光の声がブリッジに響く。
『これだけの数のジュエルシードを相手にすれば、俺達は勝手に自滅する。万に一つ生き残ったとしても、その後の処理は手足を縛った人間の眉間に弾丸を撃ちこむのと大差ない。そう考えているだろうからな』
 モニターの中で、彼はこちらを見ていた。こちらを見て、嗤っていた。
『ここにきて、ようやく思った通りに動いてくれたよ。ようやくな』
 そこにいるのは――そこで嗤っているのは、得体の知れない怪物ではない。御神光だ。間違いなく。それ以外の誰でもない。
『魔法使いを甘く見たな。思う存分後悔しろ』
 勝利宣言。その言葉は、それ以外の何ものでもなかった。
「何をする気だ……?」
 クロノが警戒するのが分かった――が、この状況を打破できる手段が分からない。それは彼も同じだろう。そんな中で、リブロムがため息をついた。
『ま、相棒にとってこの程度は窮地にもならねえよな』
 その言葉を証
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