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日向の兎
1部
4話
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のか。聞かれて困る内容でもないので、別段困ることもないか。
「ないわけではないというだけだ。君がここで才能があるからといって今の努力を怠れば全てが水泡に帰す、そういう類の儚い才能だがな。
だが、この言い方では君の向上心を削いでしまうな……そうさな、こういうべきだな」
私はリーに一歩近づきその頭を両手で挟み、強引に視線を合わせる。そして、ゆっくりと静かにこう言った。
「君の努力は報われる、歩みを止めるなよ、少年」
呆然とするリーを離し、そのまま私は彼に背を向けて歩き出す。あとは彼次第だ、これ以上私がどうこう言う義理はあるまいよ。
「ネジ、行くぞ」
「はい」
あとは温泉に寄って汗を流してから、軽く何かを口にしてから帰るとしよう。ああ、そうだ。
「替えの肌着を買ってきてくれないか、ネジ?」
「断固として拒否させてもらいます」














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