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東方
【短編】幻想郷がソ連に蹂躙される話
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ったが、嬉しそうに笑うフランをみて、彼女は幸せだった。


「あっという間でした。偉大なるソ連を建国してからは、もう無我夢中で」

「ふふふ、まさかここまで大きくなるとは思ってなかったけれどね」


 しみじみと昔話に花を咲かす。
 仕事の疲れが癒されるのを感じながら、自分の選択は間違っていなかったと再認識した。
 その最中、水を差すような言葉が耳に入ってきた。


「あと、世界革命までもうすぐですね!」

「あー、同士フラン?別に、私はいまのままで満足しているわ」

「お姉さまは優しすぎます。資本主義の豚どもや、資本主義に魂を売った修正主義者という悪魔どもを粛清し、革命を輸出することで、いまこそ万国のプロレタリアートの楽園を作るべきです!」


 思わず頭を抱えそうになった。
 あくまでも、共産趣味者だったレミリアは、共産主義に幻想を抱いていない。
 しかし、さすが史実で世界を二分した麻薬のような思想だけあって、共産主義に傾倒するものは多かった。
 このソ連という共産主義によって栄えた大国があるのだから、無理もない。
 無理もないが、妹が共産主義にここまで傾倒するとは、予想外だった。
 KGB・MVD長官として辣腕をふるう彼女は、過激派の元締めになってしまったのだ。
 事あるごとに過激な主張をするようになったフランドールを見て、レミリアは、ひっそりと涙を流した。





「最近、外からの妖怪が多いわね」


 博麗霊夢は、縁側でお茶を飲みながら、のんびりとしていた。


「ああ、『拉致だ』とか『国に返せ』とか言う連中ばっかりだよな」 


 つぶやきに答えたのは、とんがり帽子をかぶったいかにもな魔女、霧生魔理沙である。
 ここ最近、幻想郷に入ってくる妖怪が急増していた。
 外と内を隔てる博麗大結界の維持に関わる霊夢は、嫌な予感がしていた。


「外の国、えっと、なんだっけ」

「『ソビエト社会主義幻想共和国連邦』だってさ」

「そうそう。よくそんな舌をかみそうな名前を憶えているわね、魔理沙」

「里に行ったとき、外来人に聞いたんだ。なんでも、人妖が共存している珍しい国らしい」

「勝手に国民を浚って大丈夫なのかしら」

「だめだろ」


 人間と妖怪が暮らす楽園。
 それが、幻想郷であり、霊夢は、「楽園の素敵な巫女」の役割を担っている。
 すなわち、幻想郷を守ることが彼女の仕事といえた。
 幻想郷が危機に瀕しているような予感が、ずっとするのだ。
 突然増えた外の妖怪。これが原因かもしれない。


「その通りですわ」

「うおっ、びっくりした。突然出てくるなよな」

「何の用かしら、紫」


 突然、姿を現した
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