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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
終幕 「さようなら、間違IS」
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「――ふむ。これは流石に予想していなかったな」

エムは『それ』を見つめながら苦々しげに唸る。

戦闘は終始こちら優勢で進んだ。技量がどうであれスペックの差は腕だけで埋める事ができない。そして、エムの操縦技術は決して素人には真似できない域へと達している。俗に言う天賦の才という奴だ。相手が数年かけて積み上げた鍛錬が、その才能の壁に当たって砕ける。
粘りはしたものの、祇園寺とかいうパイロットに勝ち目はなかった。数分間ねばった末に――祇園寺はシールドエネルギーを使い尽くして近くの山へと落下していった。
最初はそこそこだったがつまらない幕引きになった、と思って目標を回収しようとしたその刹那に――状況が一変した。

「スコール、本当に撤退していいのか?対象は『あれ』に呑まれてしまったようだが」
『上のお達しよ。捨て置け、ですって』
「ふん、攫わせておいて捨てろとは勝手な連中だ・・・・・・まぁいい」

彼女が『あれ』だの『それ』だのと呼んでいる物――その正体は、100メートル以上あろうかという球体だった。レーダーには一切その質量が映らず、肉眼でだけ確認できるそれは、白い縞のようなものが規則的に表面を走り、どのような原理で浮いている何なのか、とんと見当がつかない。

いったい何時そこに出現して、何をしたのかも分からない。人工物にも見えるが、これだけの大きさであるにもかかわらずISの視覚情報を除く一切のセンサーで検知が出来ないのもまた摩訶不思議だった。果たして飲まれたものがどうなるのかさえ定かではないそれに、心当たりが全くないわけではないが。

「――ひょっとして、浅間山で回収したあの化物のお仲間か?」
『でしょうね。12番目、だそうよ』

8番目は知っている。だが1番から7番までは存在したかどうかすら知らない。この番号は、ただ単に順番を表すものではないのかもしれない。その情報をする権利はエムにはないが。9番から11番とて、いたのかもしれないが詳細は知らない。彼女が目にしたのは8番と目の前のこれだけだ。

「おかしな話じゃないか?最初に現れたのが8番で、次に現れたのが12番か?・・・まぁいい。今回は回収しなくていいわけだな」

そう言いながら、レーザーを無造作に構えてその球体に一発放つ。レーザーはその球体に突き刺さり――黒い球体が突如消失した。レーザーは何事も無かったかのように反対方向へ貫通する。いなくなった球体は、気が付けばエムの真上へと移動していた。
続けて、その球体の影にレーザーを発射した。レーザーはそのまま黒い――不自然なほどに真っ黒い影に命中し、特に何も起きずに終わった。熱量が呑み込まれたかのようだ。通常ならばそこにあるはずの地表に命中して地面が焦げる筈なのだが、着弾した音すらしなかった。その破壊力と熱量がどこ
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