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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
終幕 「さようなら、間違IS」
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『戻るべき形も失い、自らがヒトであったことさえも忘れた存在よ』
『哀れなり。死を恐れるが故に、絶対運命の従属に成り果てるか』
『だがその身に宿す永遠は、頂いた』
『計画のピースがまた一つ』
『既に8番は手に入れた』
『10番も11番も技術屋が始末した』
『次に現れるは12番か。どうする?』
『覚醒を促す良い機会だ。また連中に始末させればいい』
『スコールよ。傀儡を下がらせろ』
「御意。神子はどうしますか?」
『捨て置け』
果たして壁がどこにあるかも定かではない部屋に響き渡る声。
虚空に浮かぶモノリスたちの淡々とした会話を聞かされていたエージェント・スコールは、感情を表に出さずに命令に従った。スコールはそのモノリスの正体を未だ知らない。だが連中の掲げる計画の最終目的とやらには一応ながら賛同している。故に、如何に内容が不鮮明であれ命令には従う。
だが――これでいいのだろうか。
そんな漠然とした不安から、彼女は個人的にこのモノリス達が語る「計画」を調べていた。頑なにその実態を明かそうとしない、人かどうかも定かではない存在の会話に不信感が芽生えたからだ。あまり安全な橋でないことは承知しているが、それでも気になりはした。
このモノリス達は亡国機業のほぼすべてを掌握している。それだけ強大な力を持っているという事だ。意にそぐわない駒はいつ処分されるかも分からない。慎重に慎重を期した綱渡りを続けて、それでも分かったことは決して多くない。とても断片的な、繋がりがあるとも思えない情報群。
神子。
門。
永遠。
マジン。
知恵の実。
死と新生。
とこしえの安寧。
『あの少年』といい、神子といい、この連中が踏み込む世界は最早オカルトのそれに近い。そしてスコール自身、既にそのオカルトの一端を覗いてしまった身である。だからこそ――末恐ろしくなる。この連中に隷属していることが。
『あの異端者はどうする?』
『劇物は、制すれば薬になる。処分するのは機を見てからが良かろう』
『デストルドーの引金に丁度良い』
『だが、技術屋も大いなる炎も動きを見せないのが気にかかる』
『3のしもべが先決だ』
『すべては一つにならねばならぬ』
『ヒトにとこしえの安寧を』
『ヒトにとこしえの安寧を』
『ヒトにとこしえの安寧を』
それを最後に、ぶつりと音は途絶えた。
異端者――IS学園に所属する特筆することもないあの少女。どうやら計画にとってワイルドカードたりうる存在らしい。もし万が一、機業の計画とやらが聞くもおぞましいものだと分かった時は――その一手が結果を大きく変えるかもしれない。
現地で戦闘を行っているエージェント――エムに撤退命令を送りながら、スコールは思案を巡らせた。
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