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剣の丘に花は咲く 
第四章 誓約の水精霊
第三話 セーラー服
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かったんだ」
「……何をやったマルトー」

 肩を落とし懺悔するように(こうべ)を垂れるマルトーに、士郎が容疑者を尋問する刑事の如く迫る。

「あれは……可愛かった、可愛過ぎた……だから俺も衝動を抑えきれなかった……」
「何を……何をやったマルトー」

 士郎の喉がゴクリと鳴った。

「シエスタに……シエスタに……」
「シエスタに……何を……」

 士郎が詰め寄ると、マルトーがガバリと顔を上げる。

「シエスタに……エプロンを着けさせたんだッ!!!」
「なッ!!??」

 士郎の口から驚愕の声が漏れる。
 マルトーの親父はヘッ、と鼻をこすると、恥ずかしげに顔を俯かせた。

「あの服を着たシエスタを見たらな、こう、胸に湧き上がるものがあってな、そんで、その衝動の赴くまま白いエプロンをシセスタに着けさせたらこれがもう何のって……」
「くぅ……マルトー……なんという男だ」

 両手を広げ、全身を戦慄かせるマルトーを驚愕の面持ちで見つめる士郎。
 
「セーラー服に白エプロンなんて、黄金のセットの一つじゃないか……さすがと言うとこか」
「へっ……それでこの有様よ……」

 ニヒルに笑うマルトーに、士郎は首を振る。

「いや、セーラー服に白エプロンは最高のセットの一つだ、それを見た男がああなったのは納得がいく」
「あれは、セーラー服というのか……覚えておくぜ」

 士郎が納得がいったと頷いていると、セーラー服という言葉を聞いたマルトーもうんうんと頷いていた。

「そう言えば、そのシエスタはどこにいるんだ?」
「ん? シエスタか?」

 セーラー服の上に白エプロンを着たシエスタの姿を士郎が厨房見回して探すも、その姿を見つけることが出来ず疑問の声を上げる士郎に、マルトーは親指で厨房の外を示す。

「あの格好で厨房をうろつかせたら、ヤローどもの仕事が止まっちまうからな、ちと外の用事を言いつけたんだ」
「ん、そうか」

 マルトーの返事に士郎は一度頷くと、こくりと首を傾げた。

「あれ? 別に外に出さなくても、他の服に着替えさせたらよかったんじゃないか?」

 不思議そうに首を傾げた士郎に、マルトーがニヤリと笑いかける。

「あんっ? そりゃもう決まってるじゃないか、あの服を着替えさせるなんて、そんなもったいないこと出来るわけないだろ」






「んしょんしょんしょ……ふう、あともう少し」

 マルトーに頼まれ、学院の外にある物置小屋で探しものをしていたシエスタは、パンパンとエプロンに付いた誇りを叩くと、床に積まれた瓦礫の上に座り込んだ。

「あ〜あ、こんなに時間が掛かるんだったら、別の服に着替えてくればよかった、それにしても……」

 瓦礫の上
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