再会-リユニオン-part1/トリステインへの帰還
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ワルド君、様子を見て行ってほしい、もし可能ならば彼女を改めて捕えてほしいのだ。不可能ならば、仕方ないが抹殺を許可しよう」
「はい。もし見つけたら、今度こそ確保して閣下に捧げましょう」
ワルドはクロムウェルに臣下の礼を取ると、サイトたちを追うため直ちにロンディニウム城より飛び立った。
昨日の晩の時、シュウはサイトから問われた。どうしたらお前のようになれるんだ?と。「質問の意図がわからないな。お前は俺に何を求めているんだ?」
両腕を組んで気に背中を預けるシュウは隣で座りこむサイトに理由を尋ねる。
「俺はゼロって名前のウルトラマンと体を共有している。最初はすごく動揺したけど、うれしくもあった。借り物…二心同体とはいえ、俺にも誰かを守れる力があるって思うとさ。でも…」
サイトはそれから、ゼロとの間に起ったもめごとの大筋をシュウに明かした。トリスタニアでディノゾールと戦った際、逃げ遅れた人を見つけ自分が人命救助を優先すべしと意見したことに対し、ゼロは先に怪獣を倒すべきだと言ったこと。その直後、どういう意図のつもりかサイトの意見を人間の道具に成り下がる行為と軽んじた。そこから一気に二人の間に亀裂が走り、今に至るまで度々意見が合わなかったこと。それらを明かした。
「お前とそのゼロとやらは一枚岩な状態にあらずということか?」
「ああ…そうだ。でも、お前の場合はどうなんだろって」
だが、そんな問いはシュウにとってサイトが望むような答えを与えられるようなものではなかった。確かに、サイトと同様自分もウルトラマンと同化している。かのウルトラセブンやメビウスのように人間の姿に変化しているわけではない。だが、シュウと同化しているウルトラマンネクサスは、一切言葉を交わしてくる気配さえなかったのだ。
「俺はお前が求めている答えを持っていない。俺の身に宿っているウルトラマンは、俺にこれと言った助言もしていないからな」
適当に誤魔化してもどうせこいつのためにはならない。きっぱりとシュウはそう答えた。そうなのか?とサイトはシュウを見る。
「そもそも、お前にもわからないことをどうして俺が答えを示せるんだ?」
「………」
「それに、無理に俺のような奴を手本にしようと考えるな」
どうして?と言いたげにサイトは首を傾げた。
「お前は、俺のことを完璧な何かと勘違いしていないか?」
「いや…だってそうだろ。あんたは俺が知ってる限り、力の使い道を一度も謝っているようには見えなかった」
なすべきことをきっちり見定めていて、一度もミスを犯していない。なおかつ人を守ることに余念を持ているように見えない。だから、理想のウルトラマンとしては十分だとサイトは思っていた。しかし当の本人であるシュウはそう思ってはいなかった。
今、こうしてウルトラマンとしてサイトたちを守り、アリゲラと
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