アイングラッド編
SAO編
《圏内事件》4
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「悪いな、友達が亡くなったばかりなのに……」
「いえ……いいんです。私も、早く犯人を見つけて欲しいですし……」
そう言いながら視線をアスナに移したとたん、驚きの声をあげる。
「うわぁ、すごいですね。その服ぜんぶ、アシュレイさんのお店のワンメイク品でしょう。全身揃ってるとこ初めて見ましたー」
「……それ、誰?」
これはキリト
「知らないんですか!?」
アシュレイさんはSAOで一番最初に《裁縫スキル》が熟練度1000になったと言われるカリスマお針子さんだ。最高級の素材を持ち込まないと作ってくれないらしい。
この世界において有名人とは攻略組の中のトッププレイヤー達つまり、キリトやアスナ等を言うのであり、一介の生産職はマイナーな存在と言える。キリトが知らないのは頷ける。
だが、中層プレイヤーにはむしろポピュラーな存在なのかも知れない。
……とはいえ数秒前とテンション変わりすぎだろ。と思ったが仕方ないことだろう。
誰かが言ってたが、オシャレというものは女性がDNAレベルで好きなものらしい。
ましてやこのゲームの服装は基本的には鉄や革の防具だ。
日常用の服はないこともないがいちいち着替えるのも面倒くさいのでさすがの女性陣も攻略組を筆頭に常時戦闘服のプレイヤーがほとんどだ。
その惰性で休日すら軽い戦闘衣を着ている人も決して少なくない。
どうやらアスナはONとOFFをきちんと分けるタイプのようだ。
最初に見たときはおや?っと思っただけだったので特にコメントしなかった(というか未だに着ているコレを着せる気だった)ので、遅まきながら気づいた俺達にどんな顔をするかと思って見てみると顔を引きつらせて、
「ち……違うからね!!」
と、自分をまじまじと見るキリトに怒鳴っていた。
妙に得心したヨルコさんをつれ、昨日食べ損なったレストランに入ると、時間のせいもあってかプレイヤーはほとんどいなかった。
飲み物を人数分だけ頼むと、キリトがこれまでに判ったことを話始めた。
黒鉄宮のカインズさんの名前はやはり、死亡を表していたこと。
殺害の動機が復讐か制裁であるかもしれないこと。
「……ね、ヨルコさん。この名前を知ってる?一人はグリムロック、もう一人はシュミット」
彼女は暫く黙っていたが、やがて肯定のジェスチャーが返ってきた。
「……はい。昨日は気が動転していたので思い出せなかった事があります。……あまり思い出したく無いことでしたし」
彼女が依然在籍していたギルド、《黄金林檎》にグリムロック、シュミットはいた。
普段の生活費を稼ぐための小規模なギルドでメンバーの仲も良かったそうだ。
しかし、ある時何と
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