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アーチャー”が”憑依
九話
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「本当にこのままでいいのだろうか……」

悩める乙女? エヴァンジェリンは深いため息を一つつき、再び思考の海へと潜っていった。
自分はちゃんと師匠ができているのか? そんな疑問が浮かんだのは偶然であった。何を馬鹿な、最初はそう思った。だが、今まで自分がエミヤにしてきたことは……

――魔力の効率運用に対するアドバイス、模擬戦。

細かく言えばもっとあるが、大きく分けるならこの二つだ。正直、頭を抱えてしまった。魔力の効率運用はエミヤも以前から心がけていたことだし、所詮やっていれば辿り着くだろうことをちょっと近道させているだけにすぎない。
模擬戦に関しても”全力”で戦える、と言う点に関しては適任だろうが元々が膨大な戦闘経験を頼りに過酷な戦場を生き抜いてきた男だ。今更命がけの特訓なんてものはさして重要ではない。
エミヤは充分だと言うかもしれないが、納得できない。この闇の福音が弟子をとっておきながら教えているのがこの程度、というのはプライドが許さない。習得は速いが練度が中々上がらない、という奴の特性から新魔法を教えるのは控えてきたが、今、それを破る。よくよく思い返して見れば奴の魔術属性は剣だ。もしその属性が魔法にも影響を及ぼすのなら、ピッタシの魔法があるではないか。”剣”であり、闇の福音の弟子が振うに恥ずかしくない強力なのが。

「茶々丸」

「なんでしょう?」

「エミヤはどこにいる?」

丁度紅茶を運んできた茶々丸からカップを受け取り目的の人物の所在を尋ねる。今日は猫に餌をやってから来ると言っていたためここに入ってくるのは一緒だったはず。ならば、奴の居場所を知っている可能性は高い。

「ネギ先生でしたらビーチの方に向かわれました。なんでも確かめておきたいことがあるとか……」

「確かめておきたいこと?」

少なくとも、自分はそれがなんであるか知らない。と、なると魔術関連のことだろうか? 魔術に関してはいかに私であろうと何もすることはできんからな……

「行ってみるか……」





「…………何だ、これは?」

目に映るのは白い砂浜……に突き刺さる剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣剣。
もう数えるのが馬鹿らしくなるほどの武具であった。その一本一本が凄まじい威圧感を放っており、普通からは大きく外れた逸品であることを如実に表している。こんなことができるのはただ一人。

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