第一部・天使と悪魔
非日常の日常
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ここは評議院。
この世界において、大きな影響力を持つ魔法機関である。
時刻は夕方の5時。
勤務を終えた評議員が、次々に帰り始める時間であった。
その定時で帰宅する魔導士の中に、ドランバルトの姿があった。
ドラ「じゃあ、先に帰るぜ!」
そう言うとドランバルトは仕事場を後にする。
ラハール「おい、ドランバルト!」
ドランバルトは廊下に出たところで、同期のラハールに呼び止められた。
ドラ「ああ…ラハールか?」
ラハール「どうだ、新しい仕事には慣れたか?」
実は最近ドランバルトの申し出によって、評議院の諜報部隊の仕事を辞め、地域の安全に関わる内勤の仕事に変わっていたのだ。
彼が内勤を希望したのには理由があった。
ラハール「どうだ…例のフェアリーテイルと、ラミアスケイルの魔導士が行方不明になっている件について、何かわかったのか?」
ドラ「いや…何も分からない。とりあえず現場の証拠には、全て目を通しているんだがな…」
そう、彼が仕事を変わるきっかけ。
それは、一緒にクエストに行っていた、フェアリーテイルと、ラミアスケイルの魔導士が仕事中に行方不明となる事件が原因だった。
その行方不明になっている魔導士の名前は、ウェンディ・マーベルとシェリア・ブレンディと言う。
2人はとあるイベントをきっかけに親睦を深め、ギルドを超えて仕事をする中であったらしい。
だが2人は、1ヶ月ほど前から、忽然と姿を消してしまったのだ。
ドラ「俺は必ず、彼女達たちの居場所につながる情報を見つけ、無事に連れ戻してやる…そう心に誓って、捜査資料を扱う今の部署に転属になったんだ!」
ラハール「出世コースを蹴ってまで、人の役に立つ仕事をするか…お前は評議員の鏡だよ。」
そう言って、ドランバルトの肩をポンと叩くと、自分にできることがあれば協力すると伝え、その場を去っていく。
ドランバルトは、ラハールの後姿を見送ると家路を急いだ。
それからしばらくして、ドランバルトは無事自宅に戻ってきた。
玄関の鍵を開けると、厳重に鍵を締める。
だが、よく見ると家の中の様子がおかしい。
毎日帰宅しているはずの彼の家は、あちこちがホコリ塗れになっており、生活している気配がまったく無かった。
だがドランバルトは、気にせずにリビングまで行くと、暖炉の中にある隠しスイッチを押した。
すると…暖炉の中に隠し階段が現れた。
どうやらその階段は、地下へと伸びているらしい。
ドランバルトは暖炉の中に入ると、仕掛けを元に戻して階段を下りていく。
しばらく歩くと、鍵のかかったドアが現れた。
ドランバルトは、慎重にドアを開けると、部屋の奥に向かって大声で叫んだ。
ドラ「ただいま〜」
すると部屋の置くから、パタパタというかわいらしい足音が2つ聞こえてきた。
ウェンディ「お兄さん、
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