暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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象生物をどれだけ確実に絶命させられるか。
ウサギであれキツネであれクマであれ、人間であれ。
殺す事を前提として開発、研磨され、そのためだけにデザインされた形状であり色彩なのだ。
なるほど、と。
得心して頷く。
このゲーム世界に存在するのは《戦い、殺し、奪い合う》という先鋭化された目的だけだ。ALOが掲げているような《幻想世界での生活を楽しむ》といった要素はほぼ完全に削ぎ落とされている。
ゆえに。
おそらく華麗だったり可愛かったりする容姿は、むしろマイナス要素なのだろう。戦場で敵を怯えさせるための、獰猛な兵士としての外見がすでに重要なパラメータなのである。男性プレイヤー達の多くが濃い無精ヒゲを伸ばし、あるいは顔に目立つ傷痕を刻んでいるのはそれが理由だと推測される。
ということは、自分のアバターは一体どんな外見を与えられたのだろう、と。
今更のようにそう考え、自らの手のひらを眼前に持ってくる――――その寸前。
「えぇと、すいません」
真後ろからハスキーなソプラノが響く。
振り向いた網膜が捉えたのは、少し小柄な少女の
仮想体
(
アバター
)
だ。
自分の後に続いて新規登録を済ましたようで、初期キャラ出現ドームの奥の暗がりから姿を現していた。
身体は、いかにも
初心者
(
ニュービー
)
に与えられるような簡素で無骨な薄紫色のミリタリー・ファティーグに覆われ、それを隠すかのように腰ほどまである艶やかな黒髪が垂れていた。長い前髪の奥には、濡れているように光る大きなアメジストのような瞳があり、それらを困っていますという風にハの字型になってしまっている眉が締めていた。
彼女は緩やかに湾曲している己の胸当たりに手のひらを持ってくる。
「このくらいの男の子見なかった?たぶん君の前に新規登録したはずなんだけど………」
はぁ、と。
胸の手のひらをそのままおとがいに当て、辺りを見回す少女。
はっきり言おう。
「そんなに僕の背小さくないんだけどね、ユウキねーちゃん」
ジトッと半眼で少女を見ると、彼女の瞳がキュッと見開かれた。
「……え?…まさか、レンッ!?」
「まさかじゃなくても僕だよ!」
レンは腰に手を当て、ズビシッと黒髪ロング少女――――ユウキの鼻先に人差し指を突きつける。
「大体ね、言わなくても気付くでしょ!ねーちゃんの直前にログインしたヒトで、僕の背丈知ってるんなら普通に分かるでしょ!」
「え、えぇ〜っと………」
困り顔の眉の角度を、更なる急勾配にして、ユウキは後ろ髪を掻く。
「と、とりあえず、ここじゃ邪魔になるからあっち行こ」
さすがはSF系MMOゲームの有名どころ。
二人がドームの入り口で話している間にも、背後の
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