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王道を走れば:幻想にて
第三章、その5の1:昔語り ※エロ注意
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っ、ああ・・・」
「なぁ、ミントさん・・・あんた如何して、そんなにやる気なんだよ?」

 組み敷かれていた男は絶頂の余韻に浸りつつも、そう問うた。まるで子供が駄々を捏ねるかのような執拗さで肉槍を銜え込んで断続的に刺激を与えつつ、男に圧し掛かった女性、ミントは髪束の中でそれを聞いていた。

「もう充分金は払っただろ?旦那さんもでかい仕事が回ってきたって言っていたじゃないか・・・。家庭は安泰だ。なんで今晩も、俺の所にーーー」

 男の言葉がミントの唇で塞がれる。上唇を啄ばむかのように口元を動かし、そして舌先で軽く愛撫する。男は静かな瞳のままそれに優しく応え、ミントの髪の毛をさらさらと撫でていく。

「どうして、俺なんかに執着する?」
「・・・こういうのは、秘めるが花というものです」
「・・・花にしてはあんまり良い色には見えないぜ。少なくとも俺には、さ」
「どんな色に見えますか?」
「・・・家への愛情と、雌としての本能に揺れる、葛藤の紫色さ」

 ふっ、とミントは儚げに笑みを浮かべた。官能を漂わせる頬の紅潮に手を当てながら、男は諭すように言う。

「もう、帰った方がいい。こんな事を続けるなんてあんたのためにもならない」
「・・・いいんです」
「どうしてだい?」
「・・・あの人があんな風な態度を取るなら、私はこれでいいのです」

 ミントは消え入りそうな声でそう呟き、静かに男の肩口に項垂れた。肩幅の広い男の肩に彼女の柔らかな頬が乗っかり、そして汗とは違う細やかな滴が垂れるのを感じた。何が滴ったたのか、それは問うまでもなかった。

「涙なんて零しちまって、結構辛い思いをしているんだな・・・旦那が浮気でもしているのかい?」

 男の問いを無視するように、ミントは肢体の間に愛情を込めた力を注ぐ。高みに届いた高揚感に浸っていた肉壁が蠢き、しな垂れかかった肉槍を強引にでも勃たせてしまう。

「・・・さぁ、まだ夜は長いのですから・・・せめて、沢山私をーーー」
『くそっ!一体何処へ消えたっ、あのトカゲ野郎!!』
『まだ近くに居る筈だ!お前等はそっちの路地に行け!俺はこっちだ!』
『言っとくけどっ、先に捕えた方が明日の昼食奢りな!』
『なに!?ふざけるなっ、そんな寒い思いは御免だぜ!!』

 睦言を裂いて飛んできた声にミントは眉を俄かに顰めた。いたく野蛮極まりない蛮声であり、人々の安眠を妨げ、同時に淫蕩の気分を邪険に扱う声であった。

「・・・なんでしょう、この騒ぎは?」
「昼に教会の方で騒ぎがあったろ?強盗に火事に、それに聖鐘を落としたりと・・・とんでもない悪党達のお陰で国はてんやわんやさ。で、そいつ等の一人が仲間から離散してさ、こっちの方まで逃げていったらしい」
「・・・物騒ですわね」
「興が殺がれた
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