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王道を走れば:幻想にて
第三章、その5の1:昔語り ※エロ注意
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 からからとした夏の陽気が昼夜問わず王都に振り降りている。而して暑さは余り感じられない。石造りの街路や石木混合の街並みは夜の帳に沈む込むと同時に、まるで冷風が吹いたかのようにひんやり冷たくなるのだ。コンクリートやアスファルトとは打って変わって熱を篭らせないために、夏になっても熱帯夜という事態にはありえない。よって人々は安心の上に営みを重ねられるのだ。
 その営みの音は、気品と豪奢の芳しい貴族達の館林と無骨な風体が良く似合う軍隊の兵営林、その間に位置する『コンスル=ナイト』の兵舎において奏でられていた。といっても、今の兵舎には人気の数は限られている。兵員の大半は同騎士団所属隊員であるミルカ同様に、ある者は警邏に、またある者は先の事件によってか夜分の教会警護に当たっていた。残る者は居残りの警備員の中年騎士、ただ一人である。而してその兵舎には、到底一人の男では奏でられぬ音が協奏していた。
 音の正体は水であった。水差しから喉へ通すためのものでも無く、まして用を足すものでも無い。生活の中に潜在する不埒さを嗅ぐわせるそれは弾けるような水の音と、叩き合うような肉の音、それに加えて熟れた淫猥さを前面に押し出した女の嬌声で構成されていた。

「っぁああっ、ぃぃあっ・・・はああっ、ああああん!!!」

 石壁の内から聞こえるのは紛いようの無い、男女の同衾の音であった。寝台ががちがちと揺れて、その上で性器同士が互いに足りぬ所を補うように、睦の激しさを繰り広げている。厚みと膨らみのある臀部は女体が熟れた証拠であり、其処には男のがっしりとした手が這わされて肉の熱さを愉しみ、そして菊座の皺を擦っては悦楽を与えている。女体は嬌声を遠慮もなしに轟かせ、身体を上げては下ろして、下方に組み敷いた男根の逞しさを味わっていた。
 行為の激しさを物語ってか、掌から僅かに毀れるほどの豊胸が上下に揺れ、桜色に色付いた突起を淫らに揺らしていた。既に性の奔騰を飲み込んだ口元からは涎が垂れており、それが身体を伝う珠の汗と混ざり合い、全身の艶を更に増すものとなっている。体躯に走るしなやかな稜線からは欲情を誘うような色気が込み上げており、組み敷かれている男も夢中になって腰を振りたくっている。

「ぃぃっ!!あっはぁ、凄いっ!あああああ、ああああっ!!」

 淫らな液が先走りの精液と混ざり合い、まるで泥のような音を立てて陰部を濡らし合う。薄く生やした陰毛は濡れそぼっており、抽送の度にそれが互いの恥部にぬめついた感触を与えていた。雨の滴を思わせる水色の長髪がゆらゆらと、女体の背中で汗を輝かせるように踊っている。男の両手が眼前げ揺れ動く大きな双丘へと伸び、その豊満さを味わうように腰の動きに合わせて揉み、そして捏ね繰り回す。

「ああっ!!いくっ・・・これぇっ、すごい・・・っ!駄目っ、いっくぅ
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