仕事の依頼
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GGO内ではトップに位置するプレイヤーだったらしい。10月に行われた、最強者決定イベント《BOB 》で優勝したそうだ。キャラクター名は《ゼクシード》」
そこから先は雪羅が記事で見た通りだった。彼は《MMOストリーム》に出演し、その時に落ちたと。しかし───
「おそらくその時に心臓発作を起こし、そのまま・・・」
「ああ、ログでそれは秒に到るまで時間が判っている。で、ここからは未確認なんだが・・・丁度、その時刻にGGOの中で妙なことが有ったってブログに書いているユーザーがいるんだ」
「妙?」
「なんでも、テレビに映っているゼクシード氏に向かって裁きを受けろ等と叫んで銃を発射したということだ。それを見ていたプレイヤーの一人が偶然音声ログを取っていて、それを動画サイトにアップしたそれによるとテレビへの銃撃があったのが、11月9日午後11時30分2秒。茂村君が番組出演中に突如消滅したのが、11時30分15秒」
「偶然だろう?」
注文したケーキを口に運ぶ。雪羅はロイヤルミルクティーを飲みながらタブレットを眺める。
菊岡は話を更に続ける。
「実はもう一件あってね。今度は約十日前、11月28日だな埼玉県さいたま市大宮区某所、二階建てアパートの一室で死体が発見された。新聞の勧誘員が、電気は点いているのに応答がないんで居留守を使われたと思い腹を立て、ドアノブを回したら鍵が掛かっていなかった。中を覗くと、布団の上にアミュスフィアを被った人間が横たわっていて、同じく異臭が・・・」
「菊岡、そのへんにしとけ。周りからの視線が痛い・・・」
雪羅の言葉に和人と菊岡は辺りを見回す。そこには、マダムたちの怪訝な視線があった。菊岡は軽く会釈だけをし、続けた。
「・・・まあ、詳しい状況は省くとして、今度もやはり死因は心不全。男性の31歳、彼もGGOの有力プレイヤーだった。キャラネームは《薄塩たらこ》・・・」
その《薄塩たらこ》を撃ったのも、《ゼクシード》を撃ったのもどうやら同じプレイヤーらしく、裁き、力、といった言葉の後にキャラネームを名乗っていた。その名前というのが───。
「死銃・・・」
「菊岡、1つ聞いてもいいか?」
「なんだい?」
「その死亡した二人の脳には損傷は無かったのか?」
和人の質問に菊岡はニヤリと笑った。
「僕もそれが気になってね。司法解剖を担当した医師に問い合わせたが、脳には出血や血栓といった異常は見つからなかったそうだ」
「まぁ、そうだよな・・・。その二人が被っていたのがナーヴギアなら別だが今回はアミュスフィアだ。ナーヴギアは信号素子を焼き切るほどの高出力マイクロウェーブを発して脳の一部を破壊するが、アミュスフィアに
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