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仮面ライダー真・智代アフター外伝
一話「序章」
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向かった。透き通るような青空をぼんやりと見上げながら首にかけていたロケットを手に取った。
「朋也……」
かつて、共に暮らしていた恋人の名を口にロケットを開けて、彼と映る小さな写真を見つめる。当時、智也は記憶障害に陥り、後に手術で彼女の記憶を取り戻すことができたものの、記憶と引き換えに自らの命を絶ってしまった。
それ以来、彼女は彼のことを一度たりとも忘れることはなかった。そして、辛いことや苦しい事に出会えば、ロケットを開けて彼との写真を見つめている。
「この空の果てに、アイツが居るんだな……」
智代は空に微笑み、ロケットを納めると、胸元へ大切にしまい込んだ。
「さて、頑張るとするか!」
大きく背伸びをして、彼女は再び業務に取り掛かった。
「しかし……」
しかし、移動中に彼女は一つ気になる点があった。
「一体どのような研究をしているのだろう?」
入社時、主任から聞いた限りだと、遺伝子に関する研究としか聞かされていない。ただ、彼女がやる内容は、研究に必要な資金の管理だけ。
「まったく、謎の多い会社だ」
首を突っ込む気はないが、こういう会社に勤めるのは少し安心感がない。

                 *

深夜遅く、一人のOLが静かな道を歩き続けていた。しかし、彼女は先ほどから焦っている。背後から何者かの気配を感じていた。
「……!?」
振り向くも、彼女以外の人影は誰もいない。しかし、空耳のような足音と不気味な吐息が聞こえてくる。
「なによ……!」
恐怖に耐えきれなくなったOLは突然走り出す。すると、背後から足音が彼女に合わせて聞こえてくる。やはり、空耳ではなあった。
「!?」
すると、彼女の頭上を何者かの影が飛び越え、彼女の目の前へ降り立った。その姿は、おぞましく額へ触角を生やした深緑の何か……
今夜も、女性の悲鳴声が高々と響き渡った。
今宵、女性を狙う連続殺人事件が相次ぎ、それも現在の技術では理解できない傷跡や死体を残して犯人は消えさっている。翌朝、警察も全力を挙げてこの怪奇女性連続殺人事件の捜索を広げるも、決定的な証拠はまったくつかめそうになかった。

                   
                    *

翌日、財団研究所にて

「大変だ!心拍数が突然動きだした!!」
モニターから覗く心拍数の状況は、予想外のものであった。今案で水平に保っていた映像が、それが今では高く波打つ映像へと変わっていたのだ。
「一夜にして一体何が起こったんだ!?」
「とりあえず、研究に映ろう?今の状況をデータにとるんだ!」
研究所内では混乱が続く中、研究員の一人がガラス越しに見える横たわった智也の体を見て叫ぶ。
「み、見ろ!コイツ、息をしているぞ!?」
胸が呼吸によって膨ら
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