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仮面ライダー真・智代アフター外伝
一話「序章」
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彼女もまた、そのことを了解しているはずだ。
「さて、それでは坂上君は仕事に戻っていいよ?」
「はい……」
智代は主任から離れて研究室のはずれにある事務室へと戻って行った。
「では、彼女も居なくなった事だし。さっそく諸君らは次なる研究に励んでくれたまえ?」
それだけを言い残して、鬼守主任もこの場を後にした。
研究員たちは、一人ずつラボへと足を踏み入れる。そこには、ガラス張りに部屋が二手に分かれており、ガラス越しの奥の部屋には被験体と思われる青年の裸体がベッドに横たわっていた。勿論、「死体」である。ここまでは何時もと変わりなかったが、異なる場面と言えば、新たな機材が幾つも増加したことと、彼らと死体を遮るガラスが何時もとは違い、分厚い防板であることだ。それらを見て研究員たちは何れ起こりえるアクシデントをイメージしたが、それらをすぐに捨て去り、早速研究に入った。
「そういや、今回このプロジェクトを始めて一年ぐらいたつと思うけど、この被験者の名前ってなんていうんだ?」
思えば、研究を始めて一年ほどたつというのに、単なる被験者の青年としか鬼守が聞言わないため、この被験体の青年が気になった。
「確か……岡崎朋也とかいう名前だったぞ?今回の実験は、危険のディスクも高い
から、あらかじめ死人の体を使うそうだ?」
隣に立つ同僚はそう呟くように答える。
「生きた被験者を実験した経験はあるけど……死んだ人間を蘇生だなんて出来るのか?」
「出来るからこそ、こうして「第三段階」っていう新しい研究内容が課せられたんじゃないのか?」
「ふぅん?けど、もし生き返ったところで災難だよな?」
「そうそう、自分がどういう体をして生まれてくるかも知らないでさ?本当、可哀想に?」
そう同情し、哀れむ二人の研究員は新たな作業に入った。
智也と言う青年の胸板へエレキテルを放電し脳の状態とモニターに映し出される心拍数を見つめる。しかし、状況は変わることなく、そのまま変化のないまま休憩時間を迎えた。
「そういや……あの助手の子、すごい可愛いかったよな?」
「そうだよな、彼氏とか居るのかな?」
一階にある食堂の中で、若い研究員たちは先ほどの智代という助手の事で話題が持ちきりだった。
「年とか幾つだろ?」
「見た目からして二十代前半くらいだろ?」
「あ、おい!噂をすれば……」
二人の席の近くに話題となっている智代の姿が見えた。トレーに食べ物を置いて席に着いたところを見ると、彼女も昼食を取りに来たのだろう。
「やっぱり可愛いよな〜?研究でクタクタの中、唯一目の保養になるのが彼女だよ」
しかし、智代はそんな研究員に目もくれず静かに昼食を取っていた。まるで、誰も寄せ付けないオーラを放ちながら。
その後、食事を終えた智代は食堂を出、気晴らしに建物の二階へ上がり、屋上へ
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