第六十九話
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が邪神の顔面を一閃に切り裂き、キリトの《ヴォーパル・ストライク》とともに邪神へとダメージを与える。そのダメージは邪神をよろめかせる程だったが、俺もキリトも追撃はせず、再び邪神を蹴りつけてその場から離れていく。
「……キリト、翼開け!」
邪神を蹴りつけた勢いで崩れ落ちる丘から脱出し、俺の風魔法によって発生させた風により、翼はグライダーの役割を果たして俺とキリトを地上に送り届ける。二人が風に導かれて着地するのと同時に、邪神は崩れ落ちる丘の瓦礫に埋もれていき、その身を再びポリゴン片と化していた。
「ふぃー……」
「ふぅ……」
もう四本腕の邪神が復活しないのを確認すると、精魂尽き果てたとばかりに雪上へと横になる。暴れまわって火照った身体には、冷えた雪上が非常に心地よい。……時間を計り間違えれば凍死しそうではあるが。
「……死ぬかと思った……」
「泣き言言ってる場合じゃないぜ、ショウキ。今度は邪神狩りのパーティーを何とかしないとな」
確かにキリトの言っている通り、こんなところでゆっくりしている余裕は俺たちには――というか、トンキーにはない。俺も早く行動したいのはやまやまではあるが……
「……お前も倒れてると説得力がないぞ、キリト」
……かく言うキリトが雪上でぐったりしているのに、俺だけ速く行けと言われても納得しがたい部分はある。こうしてパパとその友人がぐったりしていれば、大体良くできた娘ことユイが何か言ってくれるのだろうが、あいにくユイはリーファたちがいるトンキーの背中に置いてきていた。
「いや、俺も疲れたからショウキが先行ってくれないかなー……って――ッ!?」
「邪神狩りパーティー相手にどうしろって……!?」
――そんな会話をしていようとも、伊達に二人ともデスゲームで二年間と生き残っているわけではない。激戦の後に疲れ果てていようとも、気配には敏感に反応して立ち上がるとともに、自然と背中合わせで戦闘の態勢に入る。
「……上だ!」
気配の察知に敏いショウキが先に気づく。先程からの気配の主は攻撃の届かない遥か上空を飛翔し、虫けら同然のように俺とキリトを睥睨していた。四対八枚の翼をはためかせ、青色の身体をしている邪神が現れたのだ。
勝ち目がない。とにかく逃げなくては――そう即座に判断したものの、俺とキリトが動き出すよりも速く、その飛翔している邪神から雷撃が放たれた。こちらの行動を予測しているかのような攻撃もさることながら、周辺の雪を溶かして水蒸気にするほどの雷撃に舌を巻く。
そして雷撃によって発生させた水蒸気に紛れ、気づかぬ間に翼の邪神は地上スレスレを飛行し、俺たちへと接近してきていた。まるで誰かに指示されているとしか思えない、邪神のモンスターにあるまじき動
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