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ソードアート・オンライン〜紅き疾風の短剣使い〜
プロローグ2
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それだけでも十分すごいというのに、この上には99層も存在するのだから総データ量は正直見当もつかない。

そう、この巨大浮遊城《アインクラッド》は現実ではなくゲームの中。

数年前に発表されたVRヴァーチャルリアリティを用いた史上初のMMORPGなのである。

民間用に発売された《ナーヴギア》と呼ばれるヘッドギア状のVR機器を使用するこのゲームは発表当初から話題を呼んだ。

なにせ、数ヶ月前まではゲームのゲの字も知らなかったオレでさえ知っていたほどなのだから。

「いやしかし、徹夜したとはいえホントついてたぜ」

ふと、キリトとクラインの会話が耳に入る。

「つっても、おめぇらの方が百倍ラッキーか。《ソードアート・オンライン・クローズド・ベータテスト》。オレも応募したんだけど当たんなかったしなぁ」

その言葉にオレは自分の顔が引きつったのを感じた。

それに気付いたのかキリトも苦笑いでオレを見てくる。

とても言えない。

親父が誕生日プレゼントとしてベータテストの枠を送ってきたことを。

偶然真っ当な方法で当選していたクラスメイトの桐ケ谷和人――――キリトがいなければゲームど素人だったオレは今でも起動できたかすら怪しいのだ。

もしこれが廃人に知られたら面倒な事になるのは間違いない。

目の前の男ならそんなことはないだろうが、とりあえず黙っていた方がいいと決断を下す。

「ま、運は良い方なんでな」

とりあえず口を開いてベータテスト期間中の事を思い出す。

ちょうど武器屋へダッシュしていたオレ達にレクチャーを頼んだクラインのように、オレもリアルでキリトに教えを乞い、ベータテスト期間中は夏休みなのをいいことに夜中までキリトと一緒に遊びまくっていた。

元々家の事情でガキの頃から散々爺さんに戦闘術を仕込まれていたオレにとって、このゲームは自分の力を発揮できる最高の場所だった。

素人だったオレがこのゲームに嵌ったのはある意味必然だったのだろう。

テスト期間が終わり鍛え上げたデータが消失した時はかなりがっかりしたものだ。

「まだ続けるか? 俺達はあと一時間くらいやってく予定だけど」

「・・・・実は晩飯にカツ丼注文してるからそろそろ落ちねえと」

「お前準備万端だな」

思わず呆れ声が出た。

「そうそう、オレ、飯食った後にダチの奴らと落ち合う予定なんだよ。よかったらあいつらともフレンド登録しねえか? 悪い奴らじゃねえのは保障するぜ」

「お、いいぜ。フレは多い方がいいしな」

「え・・・・っと、その・・・・」

オレは即答したがキリトは口ごもる。

この数ヶ月の付き合いでキリトがかなりのコミュ障であるのは知っている。

オレやクラインのよう
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