第五章
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「父がいつもね」
「いつもですか、専務さんが」
「うん、いつも家では母の仕事を手伝っていてね」
「だからですか」
「僕もね」
こうメアリーに話すのだった、その食器を洗いながら。
「そうすることが普通だと思っているから」
「家事を手伝う男の人は」
メアリーは微笑み夫にこうも言った。
「素晴らしいと思います」
「だから僕は」
「凄く嬉しいです」
微笑みだ、夫に顔を向けて言った。
「よければこれからも」
「こうしてだね」
「一緒に家事をしてもらうと有り難いです」
「そうなんだ」
「はい、お願いします」
こうしてお互いの長所が目に入ってきた、二人で暮らしているうちに。
勿論短所も見えてきた、だがそれ以上に。
互の長所が見えてきてだ、そしてだった。
二人はお互いのことが好きになってきた、その仕草やお互いへの仕事への熱意、それぞれの真面目さと細かい気配り、そういったものに。それに。
二人の間にだ、今度は。
子供が出来た、最初は男の子で。
次は女の子だった、ヴィンセントは生まれたその二人の子供達を見て妻に言った。
「子供達も出来た」
「そうですね」
メアリーもその子供達を見ている、そのうえでの言葉だ。
「これからは」
「子供達を育てながら」
「そうしてですね」
「家族で暮らしていこう」
妻に笑顔で話す。
「そうしていこう」
「はい、それでは」
「二人で子供達を育てていこう」
ヴィンセントからの提案である。
「これからはね」
「そのこともですね」
「うん、是非」
「何か。最初は」
ここでだ、こうも言ったヴィンセントだった。
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