暁 〜小説投稿サイト〜
無欠の刃
下忍編
一尾
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、第一次審査である、目の前の筆記試験の問題用紙を睨み付けた。
 重要なルールは三つ。
 一つ、この試験はチームメイト全員の点数をあわせたものが合格点。
 二つ、複数の試験官が下忍の動向を見張っている。
 三つ、カンニング五回見つかれば失格だが、五回までなら減点ですむ。
 そして、ルールではないが、重要な問題である『アカデミーでは習わない程の公式を使う…普通の下忍では、決して合格できない』ということ。
 …まあ、つまりは、『試験官に見とがめられないくらいの、立派なカンニングをしろ』とのことである。
 アカデミー以来、勉強していないので、普通ならば赤点のサスケも、今頃気付いているだろう。サクラはきっと普通に解いている。この試験の目的を分かっていない。
 狐面は一瞬でその意味がわかったらしく、黙々と文字を書き続けている。その速さからして、多分本当の目的がわかっているのだろう。
 対する銀髪の青年は、時々腹を押さえながらも、きっかりと質問を解いていく。曲者のようだ。
 あと、様子を見れていないのはナルトだけだ。
 カトナの席は、ナルトの三番前から右後ろのため、一番の問題児が見えないのだ。
 ナルトが心配だなぁ、どっちも出来なさそうだし無事を祈るけど。
 そこまで思考して、カトナの頭はやはり最初の結論へと戻る。
 即ち、どうカンニングしようかということだ。
 普通ならば分身の術を駆使すればいい話だ。しかし…、全員を欺ききれるほどのチャクラがない。生徒ならともかく、中忍の試験官を五名もだ。騙しきれないだろう。
 ならばどうするか。手が無いわけでもないが、しかし、あれは規則的な法則あってこそなのだ。この空間には、そんな規則的が何もない。
 いや、一つだけある…。が、見つかるのはすごく面倒くさいし、何よりリスクも高い。しかも、この法則を使用すると、天井裏の人間にはきかないだろう…まぁ、彼等は試験官なので、その時は真面目に評価してくれると思うが。
 けれど、ほか二人のためにも、落ちるわけにはいかないのだ。カトナのせいで誰かが悲しむなんて、それは、いってはいけないことなのだ。
 あー、めんどいなぁ…、とため息をはいて、カトナは目の前にある試験の問題を見つつ、投げやりに両手を伸ばす。
 その行動に目を光らせていた試験官が、カンニング行為かと目を細めたが、カトナは特に何もせず、持っていた鉛筆をころころと転がした。
 くるくると回っていた鉛筆は、やがて、転がるのをやめる。
 カトナは黙ってそれを見つめていたが、やがてにこりと笑んだ。

 「やるか」

 ぼそりと呟いた言葉を耳ざとく聞きとがめた、音の下忍ドスが、その言葉の意味を図ろうと一瞬思考を働かせたが、今は試験中だということを思いだし、無視する。
 ドスとは違い、聞こえていなが
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ