眷属、集めます
第26話
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りがとうと言われて、僕は間違えていなかったんだって。それだけで僕は救われたんです」
「たったそれだけの事で」
「白音さんにとってはそれだけの事だったのかもしれません。ですが、僕にとってはとても重要なことだったんです。僕に混ざった二人は特に信仰厚い人物ではありませんでしたから。もし白音さんにありがとうと言われてなければ、僕は聖職者を辞めていたかもしれません。それ位、僕にとっては重要だったんです。最悪、二人の魂に引っ張られて僕の魂が消えてしまう可能性がありますから」
その場合はおそらく研究者の方の魂が前面に出て来ていたでしょうね。
「僕が僕のままでいられたのは、白音さんのおかげなんです。だから最初は、出来る限りの望みは叶えてあげたいと思っていたんです。転生直後は危険な魔導書を回収するのが忙しかったですが、その後は出来るだけ傍に居て、それが当たり前の様になって、家族と言える様な間柄にまでなって。いつの間にか傍に居て欲しいと思う様になっていました」
「祐斗さん」
「教会に居た頃も放浪していた頃も孤独と向き合わないで逃げていました。白音さんに出会ってから、僕は寂しいと思う事はありませんでした。もう寂しいのは、自分や隣人が寂しいと感じるのは嫌なんです。白音さんが居ても良いと思うのなら、僕の傍に居て下さい」
「本当に良いんですか?また、迷惑をかけるかもしれませんよ」
「構いません。僕も迷惑な事に巻き込んでしまうかもしれませんから」
「怪我させちゃうかもしれません」
「いつものことですね」
「本当に傍に居ても良いんですか?」
「ええ、傍に居て下さい」
「祐斗さん!!」
白音さんが僕に抱きついて泣いている様ですが、それを慰める余裕はありません。凄い力で抱きしめられているので体中が悲鳴を上げています。それでもそれを表面に出す訳にはいかない。流れそうになる脂汗も無理矢理押さえ込んで、歯を食いしばって時が過ぎるのを待つ。
「更に一ヶ月は安静にするように」
「ごめんなさい、祐斗さん」
久遠さんに呆れられながら診断結果を告げられる。隣では白音さんが顔を真っ赤にして謝っている。レーティングゲームに間に合うでしょうか?
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