暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
78話:そのトラウマを乗り越えろ
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人は扉を破壊して中に入ってくる。
破壊された扉は私に向かって来るので、私は前に飛んでそれを避けた。
前転でうまく体勢を立て直し、私はそのままフェイクシルエット≠発動。中に入ってきた怪人の周りに私の幻影を作り出し、攪乱する。
(スバル…早く…!)
しかしその期待を裏切るように、怪人はまさしくカメレオンのような舌を出し、そのまま回転することで私の幻影を早々に消し去った。
スバルはまだ隣の車両から現れていない。怪人は周りに他の敵がいないことを確認してから、私に向かってまっすぐ歩み寄って来る。
私は怪人に向かって後ろに下がりながら魔力弾を放つが、まるで効果なし。食らいながらも怪人はそのまま歩いてくる。
そして遂に、ドンと背中が壁に当たる。これ以上下がることはできない。
―――万事休す、か…!
「―――ディバイィィン…」
諦めかけたまさにその時、怪人の向こう側から声が聞こえた。私は迷わず壁に足をつけ、一気に蹴り出して怪人から距離を取る。
これで怪人に背中を向けることにはなるが、気にする余裕はない。とにかく距離を取るために必死に転がった。
「バスタァァァーーー!!」
その叫び声と共に轟音が唸る。そして何かに衝突する音がして、何かを破壊したような音も聞こえた。
次第に音は消えていき、私と誰かの息づかいしか聞こえなくなった。私は顔を上げてゆっくりと周りを見渡す。
車両の片側の壁には大きな穴が空いていた。今は止まっているから、外からの風は比較的穏やかだ。
そしてその穴を空けた張本人は……隣の車両に行くための扉にもたれかかっていた。
「スバル…あんた、意識あんでしょうね?」
「あ、あはは……一応は…」
私の言葉に返ってきたのは、力のない返事だった。それでも大した怪我わなさそうだし、今感じているだろう疲れは多分私と同じなんだろう。
怪人から放たれる、プレッシャーというか、圧力というか。普通の日常じゃあ味わうことのない物、だと思う。今更ながら考えるとドッと疲れが来る。
それでも私は立ち上がって、スバルの元へ行く。
「立てる…?」
「できれば…肩貸して」
スバルにしては珍しい言葉だけど、今回は何も言わずにスバルを立たせて支える。
いつもなら一言二言愚痴か何か言っていたかもしれないが、同じ思いをさせられたからか素直に肩を貸した。
あれは多分、今の私達じゃあしょうがないことの部類に入る物だ。あれを目の前にして冷静に対処できるのは、おそらく歴戦の魔導師や士さんのような慣れている人達だけだ。
怪人については書類やデータ、士さんの口から聞いていた。でもやっぱり伝聞と実戦じゃあ感じ方が違った。それはスバルも同じだろう。
だけど、それで
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