夫になった訳だが……どうしよう?
54話
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ゴッドイーターのしてのスペックしかなかったが、今はその腕のように体がアラガミに近づいた分強くなっているからな」
俺たちは二人を労いながら、レオを見て少しため息をつく。その意味が分からないレオは自分が何か失敗したのかと思ったらしく、不安そうな視線をこちらに向ける。
「ぼ、僕……何か失敗したの?」
「いや、そうじゃないんだが……あーお前が気分を害する事を理解した上で言うぞ、レオ。
お前の体は殆どがアラガミだ、人間の部分は殆ど残っていない。それは分かるな?」
「……うん」
「となると、普通の食事では栄養の吸収はできず、オラクル細胞のみが体を動かす栄養となる」
「要するにレオ、あれを喰べなきゃ駄目なの……できる?」
イザナミは急所と関節部以外の損傷の殆どないボルグ・カムランを指してレオに問いかけると、彼は少し考えるような素振りを見せてからこう答えた。
「二つだけ聞いていいかな?」
「ええ」
「あれってどんな味なの?」
味か……
「肉に近いんだが……あの程度じゃ味は割と薄めだろうな」
「そっか、じゃあそれなら食べれるや。あと、食べたら強くなれるのかな」
「そりゃ、お前に体を構成するオラクル細胞が増えるんだから強くはなるさ」
「うん、じゃあ喰べるよ」
レオは大した躊躇いもなくボルグ・カムランの死体に口を付け貪っていく。
「ねぇ、レオ。あなたはどうして強くなりたいの?」
「え?そんなの決まってるよ、僕と姉さん、そしてみんなを滅茶苦茶にしたあの女を殺すためだよ。
皆捨てられたり、お父さんやお母さんを亡くしてボロボロの所を拾われて、長い間信用させてから人体実験をして廃棄処分。殆どが死んで生き残った僕達もこんな姿になった、これで恨まない方がおかしよ?」
「……ジル、お前もか?」
「当然です」
これは困った……いや、こいつらの怒りは納得できるし復讐は何も生まないなどの戯言を吐くつもりもないが、ラケルはストーリー上迂闊に死んでもらっては困るのだ。
原作知識の殆どが朧げとはいえ要所要所はまだ覚えている。そこではラケルは最後の最後で死んでもらわなければ色々と困るのだ。
さて、どうしたものか。止める訳にもいかんし、事情を説明する訳にもいかない……
「まさか、復讐なんてやめろ……なんて言いませんよね、お父様?」
「いや、それはない。ただな……」
「ラケルってフェンリルでも割と上の立場にいるの。なんて言ったって槍型神機ってまだ極東支部にすら回ってきてなかったのに、ジルが槍型神機の為の訓練を受けてたってくらいだよ?
データ取りってのもあるんだろうけど、そういう新型が真っ先に使えてるなんて相当の立場じゃなきゃ無理だからね」
イザナミが口を開いた。何かしら二人を止める方法が浮かんだのだろうか?
「それがどうかしました
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