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唯一無二の不確定因子
第十七話 希望からの絶望
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、先ほどと何ら変わらぬ景色だけ。どこを見渡しても、あの白いコートを羽織った、銀髪の少年の姿はなかった。










「・・・・・・どう・・・・・・して・・・・・・ですか・・・・・・?」










 座り込んだアリスの口からその一言が小さく漏れた。
 涙は流れなかった。期待が裏切られた分、心が深く傷ついた。






 ――――また見れると思っていた。あの力強く、ふてぶてしくも、子供のような笑みを。




 ――――またできると思っていた。バカみたいなやり取りを。




 ――――また癒してくれると思っていた。私が辛いとき、泣きそうなときに、頭に手をのせてくれると。





 だが、それができる彼はもういない。生き返ってはくれなかった。胸の中に大きな穴が空いていくような感じがした。目の焦点が合わなくなってきた。だんだんとぼやけていき、意識が途切れそうになる寸前。

「――――ス!」

「――――リス!」

「――――アリス!!」

 自分の名前が聞き覚えのある声に何度も呼ばれたことで、アリスの視界が戻った。目の前には一層からの付き合いであり、SAOの中で一番の親友である、アスナの姿があった。

「アス・・・・・・ナ・・・・・・」

 途切れ途切れだが、その親友の名を口に出した。アスナは反応を返してくれたことに対する嬉しさからなのか、涙を流しながらも、顔がぱあっと明るくなった。だが、次の言葉を聞いた途端にその表情は正反対のものに変わった。

「・・・・・・一人にして・・・・・・」

 アスナの顔が一瞬にして悲しみと絶望に包まれていく。そして、その表情のまま、何度も口を開いては閉じたりを繰り返す。アリスにどんな言葉をかければいいのかが分からないのだろう。不安も見えた。
 そんな親友の姿を見たアリスは、ボロボロになった心から、どうにか優しさを絞り出した。

「部屋に・・・・・・戻ってるから・・・・・・だから・・・・・・一人にして・・・・・・」

 その言葉に含めた意味を理解したのだろう。アスナの頬を涙がすうっと流れ、声を漏らした。

「アリ・・・・・・ス・・・・・・」

 だが、アリスはその呼びかけに反応を示さずに、無言で転移結晶と取り出して、小さな声で

「転移・・・・・・セムブルグ」

 鮮やかなブルーの光が全身を包み、アリスの視界を奪う。
 青の輝きが薄れると同時に、風景が再び戻る。そこにはいつもの見慣れた街並みが広がっていた。
 アリスはその通り慣れた街道を、アスナと一緒に暮らす部屋まで重い足取りで歩いた。そして、自室に着くなり、身体を壁に預け、そのまま糸が切れた人形のように床に座
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