第十三章 聖国の世界扉
第四話 入国
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」
「ま、気にするな。今はともかく後ろの聖堂騎士とやらをさっさと片付けよう」
何やら意味ありげな視線をまたも明後日の方向に向ける士郎に訝しげな顔をしながらも、セイバーは竜を空き地に着地させた。
士郎がセイバーの騎竜である“スタリオン”から飛び降りると、シルフィードやらギーシュたちやらが次々に空き地に降りてきた。士郎たち一行が空き地の一角に降りてくると、それを待っていたかのように聖堂騎士たちが乗るペガサスも着陸する。
士郎はセイバーと共にルイズたちの前へと進み出て、十メートル程距離を取った状態でペガサスから降りてきた聖堂騎士たちと対峙した。
睨み合い対峙する士郎たち一行と聖堂騎士の一団。すると、この聖堂騎士たちの隊長だろうか、一人の騎士が士郎たちに向かって一歩前に進み出て来た。キザったらしい仕草で肩まである長い髪をかき上げると、士郎たちに向かって、その騎士は胸に手を当て腰を折るという大げさで芝居掛かった一礼をする。顔を上げた騎士の顔は微男子と言っても言い程は整っており、本人もそれを自覚しているのか、自分が一番格好良く見えるだろう向きで士郎たちに相対していた。
士郎とセイバー、そして背後にいるルイズたちを確認すると、騎士は柔らかな口調で士郎たちに向かって話しかけてきた。
「さて、私はアリエステ修道会付き聖堂騎士隊隊長カルロ・クリスティアーノ・トロンボンティーノと申しますが。神と始祖の卑しき下僕である我々は、無駄な争いにより血が流れるのを好みません。ですので、出来れば大人しく投降していただきたいのですが」
「大人しく投降すれば、身の安全は保証してくださるのかしら?」
士郎の背後からキュルケが自身の豊満な胸を組んだ腕で強調しながらカルロと名乗る騎士に尋ねる。そこらの男ならば、だらしなく頬を垂らして思わず頷いてしまいたくなるような問いに対するカルロの返事は―――。
「残念ながらそれは確約出来ませんね。実は我々は今とある事件を追っていまして。少しでも怪しい者がいれば、宗教裁判にかけてでも解決しろと上から命令が来ていまして。ですので、すみませんがあなたの願いには応える事はできそうにありませんね。ああ、でも安心してください。あなたがたの無罪が神によって証明されれば、あなたがたの安全はちゃんと保証させていただきます」
「―――そう、なら安心ね」
「ええ、ですのでどうか安心して私たちについて来てください」
皮肉気なキュルケの笑みに対し、清々しいまでの笑みを返すカルロ。
「だが、断らせてもらう」
「―――ほう、それは何故でしょうか?」
カルロは細めた目の奥に鋭い光を灯らせ、声を発した士郎に顔を向けた。
「なに、別段特別な理由はない。ただ単純に、お前たち
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