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剣の丘に花は咲く 
第十三章 聖国の世界扉
第四話 入国
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らいはなぁッ!!! だがなぁっ! そこをぐっと堪えて耐えるのが大人ってもんだろぉぉがぁぁッ!!」
「……い、いや、相棒……お、オイラは別にそこまでは……」
「―――っは?!」

 デルフリンガーを説得しているうちに過去のトラウマが蘇り知らず叫び声を上げていた士郎が我に返り、恐る恐る顔を上げてみると―――。

「…………」
「…………」

 赤等と言ったものは遥か通り越し、顔面を蒼白にして身体を震わせている衛士の姿があった。互いに無言で見つめ合っていたが、衛士が口をゆっくりと開き始めると、士郎は視線を後ろに向けた。士郎の目の合図に気付いたセイバーやキュルケたちが、引きつった顔をしながらもこれから起きるだろう事に対し準備を整え始める。

「―――こ、ここ、ここ」
「……鶏?」
「「「―――ぷ」」」
「―――ッ!! この異端がああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
「どうしたっ!? 一体何があった!?」

 怒りの余り呂律が回らず同じ言葉を続けていた衛士に向かってぼそりとタバサがツッコミを入れた瞬間、幾人かの口から失笑が漏れ、同時に衛士の怒りが爆発した。怪しいやら不敬やらを通り越して、いきなり異端認定された士郎は、無理だろうなと諦めながらも捨鉢な様子で説得を試みるが、それが逆に衛士の怒りを更に買ったのか、そのまま血管が切れて倒れるんじゃないかという勢いで襲いかかってきた。流石にこれだけの騒ぎが起きれば収まる訳もなく、衛士の怒声を聞いて詰所から衛士がわらわらと姿を現した。

「あ〜冷静に、今のは教会は教会でも別の教会の話です。落ち着いて話を―――」
「うるさいんじゃこの異端がああぁぁぁぁッ!!?」
「―――聞けって言ってるだろッ」
「グハッ?!」

 しかもタイミングが良いのか悪いのか、丁度士郎が襲いかかってきた衛士を肉体言語で静かにさせた瞬間であり、これによりこの場で全てを丸く収められる可能性はゼロとなった。

「っッ?! 貴様ぁ!? 一体何をしているっ!!」
「ロマリアの騎士に手を出すとは。もしや例の件の奴では―――即刻捉えて尋問しろッ!!」
「……あ〜これはやばいわね。あいつら聖堂騎士(パラディン)だわ」

 土煙を上げながら駆け寄ってくる騎士の一団を目にしたキュルケが、引きつった声を上げる。

「話に聞いたことがあるが、あれが聖堂騎士(パラディン)か……しかしあの様子、口を開く前に殺されそうだな」
「どど、どうするのよシロウっ! このままじゃ姫さまの所まで辿り着くどころか殺されちゃうわよっ?! 何であんな事言ったのよっ?!」
「……すまない。思わず積もりに積もった奴らへの不満と怒りを思い出してしまい」
「く、苦労したのね」

 見たことがないほど苦渋に満ちた顔で歯を食いしばる士郎の
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