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【短編集】現実だってファンタジー
俺馴?その2ー1
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者の配置の癖など、様々なデータを分析に分析し続けた結果の最終ステージだ。3面から先は初見クリアである。ありていに言えば廃人の域だ。

(あぁ〜……やっぱり金ヶ崎シリーズは凄い!和楽器をふんだんに使用した完成度の高い音楽!一見簡単そうに見えて絶妙にプレイヤーの位置を誘導しようとする配列!何よりドットとCGを併用した高解像度で細かいグラフィック!どれをとっても向こうのソレとは段違い・・・あっちじゃ球を飛ばすゲームはエアホッケーが関の山なのに!くぅぅぅ、地球最高(さいこぅ)ッ!!)

ちなみにおみくじは未知の文化だったことからデータ収集のために大量購入しており、博物館のお土産に関しては向こうでは学術的価値まであるがゆえの買い取りである。普通の女の子を演じている癖して節々に学者臭い傾向が垣間見える。

ゲームに夢中になっている今はアドレナリンのおかげでさざめに置いていかれたことも忘れられる。そう考えると実に悲しい女に見えなくもない。そもそも男性との交際経験ゼロの彼女にとってはさざめを誘うことにも結構な抵抗があったのだ。こういうのは友達の女子達と一緒に行くのが専らであり、男子なんぞ連れて行っても面倒なだけという感覚だった。

まぁどちらにしろ向こうの地球の男子の好みとさざめの特徴が一致するとは限らないので別に構わないのだが。どちらであってもさざめについて調査を重ねなければいけないのは決定事項であり、いずれはミッションプラン通りに結ばれればそれでいいのだ。
欲を言えばミッションだからではなく「好きだから」というシンプルな事実を以て共に歩みたいのだが。そう思って、ふといりこは漠然とした疑問を頭に思い浮かべた。

(――そういえば、任務を完遂したあとはどうなるんだろう)

これは任務で、自分は組織に属するエージェントだ。任務が終わって必要性が無くなれば、上の命令次第ではさざめの目の前から――

「ッ!今は目の前に集中……!!」

敵の弾幕が激しくなってきた。いったんこの思考は捨て置こう。今はゲームを楽しめばいい。
なお、周囲には同じく『金ヶ崎イクリプス』に挑もうと待っているプレイヤーや既に手痛くやられたプレイヤー、さらには前人未到の最終ステージに辿り着いたいりこの評判を聞いてやって来た野次馬などのギャラリーが集まってきていた。

「人間性能やばー………」
「あ、この前の子だ。うめー……」
「すげっ……あんなに前に出てんのに避けくれるとかマジヤベーぞ?」
「おいそこどけよ!前が見えねえだろ!」
「っていうかあの子可愛くね?」

このゲーセンは通い出して日が浅いためあまり顔を知られていないが、前に行きつけだったゲーセンでは有名人になってしまって通いにくくなっていたりする。中にはナンパ目的で声をかける男もいたので男避けもかねて
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