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リリカルなのは
ジェイル博士とプレシア氏
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い出した。思い出したのだ。
 私は、母親だった。


 フェイトを連れて行かないで、みっともなく叫んだ私に彼は言ったのだ。
 その言葉がききたかった、と。


「ふむ、体調はいいようだね。大病を患っていたとは思えないほどだ」


 いつもの無表情で淡々とこちらを診察してくる。
 診察のために肌をさらけ出しているのだが、微塵も動揺していない。
 50過ぎのおばさんとはいえ、一応は女だ。少しショックである。


「身体について何か気になることはないかね?」  

「いえ、ないわ。調子がよすぎて、いまだに困惑するくらいよ。あなたの腕は信頼しているわ」

「それは重畳」


 長年、アリシアの蘇生に関する研究を身を粉にして続けていた私は、身体を患っていた。
 それこそ、余命幾ばくもなかったのだ。
 首尾よく蘇生に成功したところで、ともに過ごす時間が残されていないことにすら、当時の自分は気づかなかった。
 フェイトを連れて行かなかった彼は、私の病も治してしまった。
 アリシアを蘇らせた件、フェイトと仲直りした件、私の身体を治してもらった件。
 テスタロッサ家の誰もが、ジェイル・スカリエッティによって救われた。


 何か恩返しをしたいと事あることに言ってみたが、すげなく断られている。
 だが、そのまま返さないなんて、大魔導師としての矜持に関わる。
 何かできないか、と考える私にウーノがやってきた。
 ドクターの大望に協力をしてくれないか、と相談に来たのだ。
 その内容に衝撃を受けた。
 けれども、どこか納得している自分がいる。


 私だって、アリシアを事故で失うきっかけを作ったアレクトロ社に思うところはある。
 スカリエッティの情報提供により、自分がはめられたことも分かっている。
 なら、答えは一つだ。
 彼は、私たちを巻き込むことを嫌って、何も言わないのだろう。
 だから、こっそり協力する。
 それは、すなわち――


 ――管理局への反逆である。





 時の庭園なう。


 突撃となりのテスタロッサ家。
 プレシアの診察にきたよー。
 ふむふむ、術後も順調なようで、何より。
 スカリエッティの技術は世界一ィイイイ!
 診察の時は、毎回どきどきする。
 だって、この人50過ぎてるのに、20代にしか見えないんだもの。


 なんというか、大人の女のエロスがある。
 でも、こんなときの俺の無表情フェイスなら大丈夫。
 下心があっても、表に出さない。というか出せない。
 こういうときは、ポーカーフェイス(強制)でよかったな、と思う。


 いやあ、でもフェイト関連では苦労したなあ。
 彼女を救うために、アリシアを蘇生し、プ
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