第10話 ゼロ戦舞う
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会に勤めています。タルブ村で出張所を任されています。
2039年からこの世界に迷い込みました。異世界と言っても信じられないでしょうが、あの月をご覧なさい。」
鈴木が上空を、指差す。指差した方向を、見上げると其処には、夕闇に映した薄青い月と薄赤い月が浮かんでいた。薄青い月は、地球の月と比べて2倍程の大きさである。
「うぅ・・・。」
佐々木は目の前に映る現実に、唸る事しか出来無いでいた。
「ここに居ても何ですから、私の家にお越し下さい。道すがら簡単にお話をしましょう。ところで、ゼロ戦に載って来たと云う事は、第二次世界大戦頃でしょう。佐々木さんが出撃したのは、昭和のいつ頃でしょうか?」
「昭和17年 6月 5日です。」
「もしかして、ミッドウェー海戦に参加していたのですか?」
「はい、そうです。」
「それは、・・不運というか幸運というか・・・。」
「それは、どういう事でしょう?」
「実は、ミッドウェー海戦で日本海軍は、機動部隊の航空母艦4隻とその艦載機を多数一挙に喪失する大損害を被り、ミッドウェー島の攻略は失敗し、戦争における主導権を失ったのですよ。」
「えぇっ・・・。」
佐々木は、余りの事実に言葉を失った。
「その後、昭和20年 8月 6日に、広島に原子爆弾が落とされ、次いで 8月 9日にも、長崎に原子爆弾が落とされて、8月15日に日本は降伏したのですよ。正式には、9月 2日に降伏文書に署名して終戦となりました。」
「日本が負けたのですか。」
「はい、残念ながら・・・。詳しは、家に着いて話をしましょう。」
その後、佐々木は鈴木の家に招かれて、映像をみせられ、玉音放送を聴いて、その事実を実感したのであった。
Sideout
その後、佐々木武雄は鈴木雇われて、タルブ村に住み着く事になる。
ハルケギニアの言葉を教えて貰いながら、米や大豆の種を貰い、自分で田や畑を耕し、エクリプス商会のお茶やブドウ畑の開拓をして、給金を貰いながら、生活を送るのである。エクリプス商会のやる事なので品種改良された最高級の品種である。ハルケギニア全体にタルブ村のワインが広まるのである。それ以外にも醤油や味噌、日本酒、ワインといった醸造蔵も建てられる、また貯めた給金で日本邸宅も建てて貰った。しっかり、い草の畳が敷き詰められていたのは、ご愛嬌である。
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