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無欠の刃
下忍編
恋敵?
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てもて、だね」

 こそこそと小さな声で囁きあい会話する二人を置いて、リーは嘆き悲しんだ様子で床を叩き続け、おおお、と言う声を出す。今から試験が始まるというのに、まったく、余裕そうな態度だと、内心で呆れながらもカトナは困惑する。
 何せ、涙を流した少年がそこから微動だにしないのだ。しかも、サクラの名前を呼んで悲しんでいる。なんかいろいろ勘違いされそうな光景である。しかも、この様子だと、その好きな人とやらが誰かを突き止めるまで、サクラに付きまとうだろう。
 …めんどくさいし、サクラの好きな人をばらしたら、サクラが可哀想だし、何より、サクラに惚れているナルトにダメージがいく。仕方ないと、一息ついたカトナは、リーを速やかにあきらめさせるために、サクラの肩を引き寄せて言う。

「悪い、けど、この子、私のだから、告白ならそこらでどうぞ」
「!?」

 サクラが突然そんなことを言い出したカトナに目を見開き、どういうことだと腹を小突くが、カトナは全く気にしないまま、にこりと笑い。
 サクラの首に手を回し、サクラの肩の向こうからリーを睨みつける様にして顔を覗かせ、耳元で目を細める。

 「さっき、言う、好きな人、私の、こと。サクラ、私、相思相愛、いこーる、邪魔無理。ってことで、諦めて?」

 そう言ったことに対する抵抗感が全くなく、自分の性別がむしろ男になった方がいいと、常々思っているカトナにとって、その発言はあまり気に障らず、ゆえに、すらすらと何の躊躇いもなくつむがれる。それがリーの中に生じた疑いを緩和させ、事実ではないかと思わせる。
 しかも肩を引き寄せられ、髪の毛を撫でられて甘い言葉を囁かれたサクラの頭には、パニックが来訪する。
 何せ、カトナは変化をしていて普段は男の姿をしているうえに、その姿は生半可な人間じゃ太刀打ちできないほどに整った容姿なのだ。そんな容姿の人間に、偽りとはいえ告白されてると言う事実に、知らず知らずのうちにサクラの頬が赤くなる。
 それをサクラの了承と取ったらしいリーが拳を握りしめ、カトナを上から下までじろじろと見る。

「…君のような、なよなよしい方がですか」
「それは、失礼。強さと見た目、一致する、珍しい」

 そういいながら、カトナはくすくすと微笑する。
 サスケはその様子に頭を抱えた。ちょっとこれは怒っている…というか、むかついてきている。
 なよなよしいという言葉は、カトナにとって、=女らしいという事だ。しかも、自分の仲間であるサクラに迷惑をかけてきているうえに、それが色恋が理由だからという点で、イラついてきているのだろう。
 人の恋路に口を挟まず、馬に蹴られない主義のカトナだが、しかし、自分の仲間などに手を出されると、しかも、そいつがその恋に対して乗り気じゃないと、無条件にイラつくらし
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