初年度
学園編
TURN-04『もう1人のイレギュラー』
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PDAが鳴った。
俺はポケットからPDAを取り出し、着信を受ける。
『丸藤 翔 を預かっている。返して欲しくば、女子寮まで来られたし』
ボイスチェンジャーを使ったのか音声ソフトを使ったのかは定かではないが、PDAからは実に機械的な声が聞こえてきた。
俺はすぐさま椅子に掛けていた制服の上着に袖を通し、デュエルディスクと今日使うつもりのデッキが入ったデッキケースを用意する。
《あの、マスター? さっきのももしかしてフラグ≠チてやつですか?》
「ああ、そうだ。だけど‥‥」
デュエルディスクを左腕に装着し、デッキケースを腰に携えながら、俺はヴェールの問いに答える。
「今回は、それだけって訳じゃないかも知れないな」
《え?》
そう答えてすぐ、俺は部屋を後にした。
「おーい! 章刀ー!」
先に船着場に到着していた俺の許に、十代が駆け足で寄ってくる。
別に待ち合わせしていた訳ではないが、誰にも見られずに女子寮に行くには、ここの船着場からボートで行くしかない。
だからこの遭遇は必然だ。
「章刀! お前も呼び出されたのか?」
「ああ、『翔は預かった』とか言われてな。ま、話は後だ。行くぞ、十代」
「オウ!」
俺たちは桟橋に着けられていたボートに乗り、対岸にある女子寮へと向かう。
かれこれ数分間オールを漕ぎ続け、ボートを進めていると、対岸に立つ5人の人影が見えた。
原作より1人多いところを見ると、俺の相手はそいつだな。
俺たちはボートを船着場に着け、岸に立つ。
先方の面子を見ると、明日香・ジュンコ・ももえ、そして彼女たちに捕らわた翔──
さらに、その4人とは別に見知らぬ少女が1人。
──結構可愛いけど、こんなキャラ、タッグフォースにいたかな?
俺がまじまじと見つめていると、少女は何故か顔を赤らめ、半歩後ずさりしてしまった。
──俺、何かしたかな?
《‥‥マスターは思ったより女心がわかってないですね‥‥》
──デッキケースからヴェールの声が聞こえた気がしたが、気の所為か?
それはさて置き、今は翔だ。
「アニキ〜、章刀く〜ん‥‥」
「翔、これはどういうことなんだよ?」
助けを訴える翔に、十代は説明を求める。
「それが‥‥話せば長いような、長くないような‥‥」
「こいつがね! 女子寮のお風呂を覗いたのよ!」
「何だって!?」
友人が覗きを働いたというのだから、それは驚くだろうな。
俺は先の展開がわかっているが。
「覗いてないって!」
翔の言い分もわかる。
自業自得とはいえ、覗きに関しては本当に無罪だからだ。
「それが学校にバレ
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