初年度
学園編
TURN-04『もう1人のイレギュラー』
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女子寮のエントランスホールにて、明日香・凛・ジュンコ・ももえの4人による、捕縛された翔の尋問が行われている。
‥‥と言っても、尋問しているのはジュンコとももえの2人で、明日香は険しい表情で翔を見据え、凛はそんな明日香の隣で、翔の取調べを苦笑しながら見ていた。
翔は『明日香からラブレターで呼び出された』と言い、その現物まで提示したが、
「私、こんな汚い字書かないわ」
見事に一蹴されてしまう。
しかも、
「あら? これ、宛名が遊城十代≠ノなってるわ」
「え? う、嘘ぉ〜」
その手紙は翔ではなく、十代に宛てて書かれたものだった。
偽のラブレターに釣られて女子寮に来て痴漢扱い、挙句自分の勘違いだったと知り、翔はガックリと項垂れた。
「このことは、学校側に報告しましょう」
「さ、さすがにそれはかわいそうじゃない? 誰かに手紙で呼び出されたのはホントみたいだし‥‥」
ジュンコの発言に、凛が待ったを掛ける。
「何言ってるんですの? 凛さん。たとえ呼び出されたのであっても、お風呂を覗くなんて、破廉恥極まりないですわ」
「そ、それは、そうだけど‥‥」
しかし、ももえもジュンコに同意見のようで、凛は押し黙ってしまった。
その間にも、翔は『だから覗いてないってばぁ!』などと必死に弁明している。
「うぅ‥‥。あ、明日香ちゃんは、どうするの?」
言葉に詰まった凛は、今まで口を閉ざしていた明日香に話を振る。
「‥‥私にちょっと考えがあるの」
話を振られた明日香は、不敵な笑みを浮かべながら言った。
◆◇◆◇◆◇◆◇
【章刀side】
「ハァ〜‥‥」
イエロー寮の自室に戻った俺は、一目散にベッドにダイブする。
《マスター、お疲れですか?》
俺の体調を心配してくれたのか、デッキケースからヴェールが姿を現し、俺の顔を覗き込んでくる。
「違う違う。風呂にも入ってサッパリしたし、後はお呼びが掛かるまで一休みしようかな、ってな」
《お呼び?》
毎度のことだが、ヴェールは俺の発言の意図を掴めていない。
まぁ、俺も言っていないから、当たり前と言えば当たり前だが。
もっとも、今回は別にフラグを建てた訳でもないので、お呼びが掛かるかどうかは先方次第。
それが直接俺の許に来るか、間接的に来るかもわからない。
少し意味は違うが、果報は寝て待て≠チてやつだ。
さて、さすがに0時を回れば待つ意味も無くなるが、まだ時間がある。
何をして待つべきか‥‥。
そう思っていたが、
──プルルルル、プルルルル
「ん?」
不意に、椅子の背に掛けている制服の上着のポケットに入っていた
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