初年度
学園編
TURN-04『もう1人のイレギュラー』
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外に大した滞りも無く、授業は普通に進んでいった。
授業中に猫をあやすのはどうかとは思うが、授業は面白い──個人の主観による──し、人当たりもいい。
実に好感が持てる先生だと思う。
後に敵として対峙することがなければ、入学から卒業まで、一緒に楽しい学園生活が送れたかも知れないな。
大徳寺先生の授業の後は、鮎川先生が担当する体育だったが、ちょうどこの時だ。
翔が面倒事の火種を手にしてしまったのは‥‥。
◆◇◆◇◆◇◆◇
【3人称side】
オベリスクブルーの女子寮。
男子寮同様に豪華絢爛な、まるで西洋の城のような建物がそれだ。
寮が豪華なら施設も豪華で、特に大浴場は圧巻だった。
まるで宮殿か何かのような厳かな佇まいで、一見すると大浴場なんて単語は出て来ないかも知れない。
そんな大浴場で今夜、1人の男子生徒が社会的なピンチを迎えるのであった。
「ホント明日香さんってば、スタイル抜群で羨ましいですわ」
「そんなにジロジロ見ないでよ‥‥。恥ずかしいじゃない」
「ももえもまた胸が大きくなったんじゃない?」
「もぉ〜! ジュンコさんったら、どこ触ってるんですかぁ〜?」
だだっ広い大浴場だが、現在入浴しているのはたった3人だけのようだ。
明日香とその取巻きである枕田ジュンコ・浜口ももえの3人である。
3人は──と言っても主にジュンコとももえの2人だが──入浴しながらガールズトークに耽っていた。
スタイルのことに始まり、男子学生の批評など、まさに10代女子の代表的なガールズトークだ。
男子学生の批評では、具体的に名前が出されたりしている。
まず出た名前は遊城十代。
発言者はジュンコだ。
しかし、これは悪評の例として出されたモノ‥‥。
どうやら遊城十代という人間は、エリート思考のお嬢様のお眼鏡には適わなかったらしい。
次に三沢大地。
発言者はももえ。
顔もそこそこでデュエルに関する知識や技量もあるということで、中々高評価のようだ。
明日香はまったく興味が無いようだったが、残りの2人はかなり盛り上がっている。
その時、3人の背後──大浴場の外の茂みの辺りに人の気配を感じた。
「っ! 誰!?」
真っ先に反応した明日香が外の方へと目をやる。
そこには、
「ふえ!?」
艶やかな黒髪を腰の辺りまで伸ばした少女の姿があった。
少女も入浴しに来たのだろう。
服は当然着ておらず、バスタオルで女性的な部分を隠しており、足元にはもう1枚バスタオルが落ちている。
しかし、入浴に来たにしては少女がいる位置はおかしかった。
それが気になったようで、明日香が少
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